小説
□たんぽぽ戦争・Episode3
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こんにちは。熊谷千波です。突然だけど、アタシ達は今、市民体育館に来てます。え? なんでかって? そんなのアタシ達の天敵である体育科教師始め、運動部員達が来てるからに決まってるじゃん。
「どぉ? 関達いる?」
「あー。いるねぇ。おまけに、鷹野までいるよ」
鷹野っていうのは、鷹野隼人のことで、バスケ部部長で、運動部のボス的存在でもある。まぁ、そんなコトはアタシ達には関係ないけど。まぁ、ムカつくヤツに変わりはないわけだから、そんな奴もいるんだ。程度に覚えておいてください。
「ま、鷹野なんてどーでもいいよ。あんなナルシー。それより、今回はどうする?」
この前はアタシがバズーカで体育館ペイントまみれにしたんだよね。
「うーん。ここはシンプルにたんぽぽは?」
「たんぽぽ?」
全員の頭上に『?』が飛んだ。それにしても、一体どこから、たんぽぽが出てきたんだろ。
「ココにくる途中に咲いてたの摘んだんだよね」
あ、この市民体育館は、学校から続く急な坂を下った先にあります。そして、その道の途中に、一面真っ黄色のたんぽぽ畑があるんです。でも、隣の土地と仕切るために柵が張られてたから、あのたんぽぽ畑って、多分、私有地なんじゃないのかな。。
「へー、いいな。一本ちょうだい」
「いいよ」
うわ。真由までノリノリだ。部長と副部長がノリノリってことは、一般部員は付いていくしかないじゃん。
「とりあえず、一本投げてみる?」
「だね」
そして、アタシたちは体育館の上に設置されている、ギャラリーに誰にも気づかれないように上った。
「おー。よく見えるね」
「とりあえず、バスケのコートの中に放り込もっか」
ま、部長の意見は絶対だから、アタシも横やりいれたりしないけどさ。たんぽぽ一本投げたところで、すぐそばに落ちて終わりなんじゃないのかな。
「あ、アタシ投げても良い?」
「どうぞどうぞ」
遥は、ポーチに詰め込んであった、たんぽぽを一本手に取ると、狭いながらも助走をつけ思いっきり投げ飛ばしたっ!!
ビューン
ん? 何か、ありえない効果音がついたような。。
そして、遥の投げたたんぽぽは、綺麗に曲線を描き、バスケットコートのちょうどど真ん中に落下した。
パン
えっ!! 爆発!?
「な、何?」
「たんぽぽが爆発した!?」
「ちょ、どうなってるの!?」
あー、何やら、混乱しているようなので、一度部室の様子をご覧ください。部室の琴乃さーん。