小説

□たんぽぽ戦争・地獄
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こんにちは。熊谷千波です。
三途の川とかいう夢みたいな出来事から数日が経ち、アタシ達はその出来事を忘れきっていた。
そんなある日の放課後。

チュェ〜 チュェ〜 チュェ〜

聞き覚えのある不気味な鳴き声が聞こえた。
次の瞬間、アタシ達は見知らぬ大地に立っていた。

「どこ、ここ!?」

そこは、荒れ地? という言い方がピッタリな所で、大地は荒れ果て、木は枯れきっていた。生き物の気配は全くない。

「誰か状況説明できる人いる?」
「ホラ、あっちゃん」
「んぇっ!? 俺!?」
「蒼太君たち、ココが何なのか知ってるの?」
「あ、はい。また、チョンチョンがねぇ? 宇津ちゃん」
「あぁ。魔力で連れてきたみたいです」
「っつーか、ドコ?」
「たぶん、地獄ではないかと」
「地獄!?」

全員の声が重なった。ってか、地獄? 何かイメージと大分違うんだけど。地獄っていったら、マグマっぽいものがグツグツいってて、その中に人っぽい黒い物体が蠢いてる感じじゃない? アタシのイメージが間違ってる?

「何かイメージと違っ!!」

遥〜。よかった!! アタシがおかしいんじゃなかった!!

「啓人。蒼太。こんなトコにいたのか」
「あ、にっちゃん」

あれ? そう言えば晴希いなかったんだ。ってか、何か変なの連れてる!!

「晴希。そいつは?」
「あ、これ? 閻魔大王」

え、閻魔大王!? にしてはものすっごくちっこいし。全長30センチくらい? に一昔前の中国っぽい丸い帽子かぶってるし。

「なんか、可愛い」

え、由愛ちゃん。あれ、可愛いか!?
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