小説

□たんぽぽ戦争・生徒会役員登場
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ピンポンパンポン〜♪

『3年2組西村遥さん大至急、生徒会室まで来てください。繰り返します――』

それは、ある昼休みの出来事だった。部室でお昼を食べていた遥に突然の呼び出し。しかも生徒会室にである。こんなことは今まで一度もなかったことだ。

「あれ? アタシ呼ばれてる?」
「遥ァ何やったの? 生徒会室なんて」
「んー? 特に何もやってないと思うんだけどなぁ」

花子や舞に見送られ、遥は生徒会室に向かった。
生徒会室は、吹奏楽部の部室と同じ建物の1階部分にあった。そのため、部室から生徒会室に行くには、まず4階から1階まで階段を下りなければならないのだ。めんどくさいことに。

コンコーン

「会長〜? 来たよ」
「遥。来ましたか。ちょっと中に入って、そこに座ってください」

近くのパイプ椅子をすすめられた。
遥が席に着くと、向かい側の席に会長が、その隣に副会長の山田泰希というおとなしめのやられキャラである男子が座った。さらにその後ろに控えるのは、会計と書記の計3人だ。

「えっと、アタシ何かしたかな? 会長に迷惑はかけてないと思うけど」
「コレをみてもそんなことが言えるのですか?」

そう言うと、会長は分厚い紙の束を遥の前に突き出した。

「何これ? 請求書?」
「全てコンピュータ研究会からです」
「何でコンピ研? アタシ関係ないじゃん」
「コンピュータ研究会の部長はアナタ達に頼まれていろいろと発明をした結果が、この請求書の山だと言っているのですが」
「えー? アタシ発明なんて頼んでない」
「そうですか? その割に、体育教官室及び体育館をペンキまみれにしたのは吹奏楽部だという情報が入っているのですが? それも、そのペンキを用意したのがコンピュータ研究会だという」
「さぁ? ペイント弾は落ちてたんだよ。まぁ、体育館ペンキまみれにしたのは否定しないけど」
「遥」
「でもさぁ。それでアタシたちにどうしろって言うの? ウチの部活もう予算ないから請求書まわされてもどうにもならないよ」
「そら、吹奏楽部が調子こいてんのが悪いンとちゃう?」

会長の後に立っていた男子生徒が口を出してきた。

「えーと、確か会計の・・・金田、笑いクン?」
「ちゃうがなっ!! 笑いって書いてショウって読むんやっ!!」

金田笑いクンこと、金田笑は、関西弁でもう抗議を始めた。が、この笑。生まれも育ちも島だ。大阪をはじめ、関西になど住んだことも行ったことすらない。
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