小説

□たんぽぽ戦争・コンピュータ研究会登場
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「ジャーン!! 紘都参上〜♪」

突如、吹奏楽部の部室に白衣を着、頭にゴーグルをつけた少年が飛び込んできた。

「・・・・・・!?」
「誰っ!?」
「どーもでーす。なぁーいますかー?」
「あ! 紘都君だ」

入ってきた少年を見て、由愛が声を上げた。

「え。由愛ちゃん、知り合い?」
「え、うん。コンピュータ研究会の部長さんだよ」
「あ、センパーイ。どーもでーす。ところで、なぁーって来てない感じですかー?」
「蒼太君!? うん。まだ来てないみたいだよ」
「でもー。教室にはーいなかったでーす」
「あれ? どこ行っちゃったんだろ」
「ちぇー。じゃーいーでーす。しつれーしまーしたー」

と、帰ろうとした紘都の肩を遥がつかんだ。

「ちょっと待ってっ!!」
「んー? 何ですかー?」
「まぁまぁ。せっかく来たんだし、お茶でも飲んで行きなよ」
「そーですかー? じゃぁー遠慮なくー」

遥は、紘都を部室の奥の方に設置されている大きめのテーブルに案内した。
その遥の瞳は、面白いオモチャを見つけたとばかりにキラキラと輝いていた。

「あ、紅茶とコーヒーどっちがいい?」
「どっちでもーいーんでーんーっと甘くしてくださーい」
「はいはーい」

遥は、紅茶に牛乳を混ぜ、ガムシロップを2つ入れた。

「どうぞ」
「どーもでーす」

遥は、紅茶を紘都の前に置くと、ちゃっかり隣の席に座った。

「・・・あのー。センパーイ。何かー用ですかー?」
「ん? ううん。気にしないで。ところで、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」
「何ですかー?」
「アタシの由愛ちゃんとどーゆー関係!?」

どうやら、紘都に興味を示していたのはそうゆう理由からだったらしい。

「んー? あの可愛いセンパイですかー?」
「そう。アタシの可愛い由愛ちゃんに手ぇだしたりしたら、即刻コンピ研の活動を停止させるからね」
「手ぇは出してーないとー思いまーす。その辺はーあのやる気のないセンパイに聞いてくださーい」
「誰?」
「センパーイがー名前覚えてないようにー俺もー名前、覚えてないんでー」
「まぁ、いいや。由愛ちゃんとは何にもないんだよね? 間違っても付き合ってるなんて言い出したら、停学くらいじゃ済まさないからね」
「付き合ってはーないでーす。ヒミツはー共有してますけどー」


意味深な発言と不敵な笑みを残すと紘都は、立ち上がった。

「それじゃー、お茶、ごちそーさまでしたー」
「ちょっと待って。ヒミツって何!?」
「センパーイ。ヒミツはー、ヒミツだからーヒミツなんですよー」
「由愛ちゃんと2人っきりのヒミツなんてずるいっ!!」
「んー? 2人じゃないでーす。やる気の無いセンパーイとー田中さんとー4人でーす」
「え? は? ん?」

遥のキャパシティーが超えてしまったらしい。頭上に?マークが飛び交っていた。
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