小説

□ドリーム・アイランド
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「ジャーン☆紘都参上っ!! なぁーいまーすかー?」

突如、コンピュータ研究会部長の広島紘都が吹奏楽部の部室に乱入してきた。

「ひーちゃん。どうしたの!?」
「なぁー、遊園地行こー」
「遊園地? 本州の何とかワールドだっけ? そこ?」
「んーん。東京のー新しく出来たとこー」
「どうやって行くの。オレ、お金ない」
「なぁーに無くても、俺にはあるもーん」
「へぇー。自慢に来たの?」
「ちっがーうっ!! 今月からー部費アップしたんでーおすそわけー」
「ホント!? ひーちゃんが旅費だしてくれるの!?」
「そーゆーことー。あ、部長センパーイ達もよかったらー一緒にいきませんかー?」

紘都は遥たちも遊園地とやらに誘い始めた。

「え、アタシたちもいいの!?」
「もっちろーん。なぁーがいつもーお世話にーなってるんでー」
「オレ、別にお世話にはなってないよ」
「いーから、いーから」
「じゃぁ、お言葉に甘えて。皆も良いよね!?」

一応疑問形だが、答えは決まっているのだ。そう、たとえ反対意見がでても。

「えー。いつ行くの?」
「次の土日とか、どぉ? 紘都君」
「オッケーでーす」
「だって」
「早っ!! ってか、次の土日って明後日だよ」
「いいじゃん。どうせ行くんだから」

と、いうわけで明後日、東京にある新しくできたという遊園地に行くことに決定した。


**そして当日**

「いやぁー。遊園地日和だね」

遥たちは早朝、5:30に出航している船に乗り、そのまま新幹線で東京某所にある“ドリーム・アイランド”に来ていた。

「じゃぁ、ルール説明ね」
「何の!?」

遥のボケ? に千波がすかさず突っ込んできた。さすがツッコミ担当。

「題して、人気マスコット“Mッキー”を探せっ!!」
「Mッキー? って、ねずみ王国の主の?」
「違うよ。意識してるんだろうけど」
「いや、ダメだからね。犯罪だよ」
「はーい。千波は置いといて。ルールです。このドリームアイランドの中に、Mッキーがいます!! そのMッキーを最初に見つけ出した人が優勝です!! 優勝者には豪華賞品があるのでお楽しみに!」
「ってか、Mッキーって何?」
「え?通りすがりのお兄さんに声かけて、Mッキーやってくれませんか? って声かけたら、オッケーだって」
「おい。大丈夫なのその人。ってか、そんなこと頼む方も頼む方だけど、オッケーする方もする方だからね」
「え、部費をちょっと拝借して、一緒に渡したからね」
「ちょっとっ!! 何してんの!!」
「大丈夫だって。って、わけで。Mッキーを探せっ!! スタートッ!!」


ドリームアイランドの入り口でそんなやり取りがあった頃、一足先に園内に入っていた由愛と琴乃は、ねずみ王国のシンボルマークの城にそっくりなドリーム城の最上階にいた。

「Mッキーって何かな?」
「さぁ。防犯カメラで探してみる?」
「うん」

園内のいたるところに設置されている防犯カメラの映像がモニターに流れ始めた。

「あ、ナミちゃんと真由ちゃんがいるよ」
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