小説

□二次創作じゃないですよ
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「……ん。……かずきん! ――起きろよ、あかずきん!!」

ガバッと晴希が起き上がるとそこは、広い野原だった。

「こんなところで昼寝か? オオカミでもでてきたらどうするんだ」

黒い衣裳をきた啓人が、まぁ、お前の場合大丈夫か。などと言いながら肩をすくめた。

「啓人? あれ? 俺、なんでこんなとこに?」
「大丈夫か? あかずきん」
「あ、あかずきん!? 何言ってんだ、啓人」
「…寝ぼけてるのか? あかずきん」
「俺は晴希だ! 小西晴希!!」
「あぁ。知ってるよ。名前は小西晴希。で、お婆さんに縫ってもらった赤い頭巾を毎日かぶってるから、あかずきんって呼ばれてるんだよな?」
「・・・・・・」

晴希は現在の状況を理解できなかった。


そして、理解しようと必死に脳を回転させた。そして、出た結果が・・・

「夢か!!」
「あかずきん? 何言って」
「あかずきんって呼ぶな! 大体、あかずきんっつったら、女の子だろ? いやいや、そのまえに、啓人のあの格好は何だ? 黒いマントにでっかい黒い帽子。何かの衣裳か?」
「本当にどうしたんだ?」
「啓人・・・だよな? その格好って?」
「ん? あぁ。俺はハーメルンの宇津啓人ってココまで一緒に旅をしてきておいてそれはないだろ」
「旅? どんな設定だよ!!」
「魔王への道はまだまだ先だぞ」
「ロープレ?」
「ほら、行くぞ。って、あかずきんがぐずぐずしているから、オオカミが出てきたじゃないか」
「オオカミ?」

晴希達の行く手を挟むように数匹のオオカミが現れた。

ガオーッ

「あかずきん、行くぞ!」
「は? え? ちょ!!」

おたおたしている晴希をよそに、啓人は横笛を構えた。

「何してるんだ。その手に持っているメリケンサックは飾りか?」
「メリケンサック? っつーか、あかずきんがメリケンサック? えぇい! どーにでもなれっ!!」

晴希は無我夢中でオオカミに向かってメリケンサックをふるいまくった。
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