小説

□港高校戦隊タンポポン
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どうも。コンピュータ研究会副部長の根本慶介です。今日は、コンピ研の日がな一日を紹介したいと思います。

「なぁー。戦隊ヒーローごっこやろー」

また部長の広島紘都が妙なことを言い始めた。

「・・・嫌だよ。恥ずかしい。幾つだと思ってるの?」

同じクラスだが、吹奏楽部の永戸蒼太がいつものように突っ込む。これが、コンピ研の日常だ。

「いーじゃーん。俺がーリーダーなー。タンポポパープル」
「パープルって紫? 何でリーダーなのに。普通、レッドでしょ」
「紫が好きだからだー」

「ってか、紫って普通、途中から出てくるメンバーだよね? 最初にいるのは、赤・青・黄色・緑・ピンクが基本じゃない?」
「なぁーは、腹黒ブラックなー」

「ちょっと!! 人の話聞いてる!? ってか、オレ腹黒くないから!!」
「じゃー、なんならいーんだよ」
「どれも嫌だけど、しいて言うならブルーかな。。名前、蒼太だし」
「じゃー、なぁーは腹黒ブラックってことでー。次、けーすけはー」

そう言って俺に振られても紘都の変な遊びに付き合ってられるほど俺も暇ではない。

「紘都。俺はやらないぞ」
「ってか、オレだってやらないよ!!」
「けーすけはー、何かー青碧?」
「何かカッコいい!!」

響きだけならな。けど、リーダーが紫で、ナンバー2が腹黒ブラック? それに、青碧色と言ったら、微妙な色だろ。

「ヤッバーイ!! 3人しかいない!! 後二人探さないとー!! なぁー、誰が良いと思う?」
「その前に、色の設定もっと考えようよ」

その発言から行くと、蒼太はもうあきらめているらしい。俺もだが。

「ダーメッ!! もう決定したのー。後はー、小西とかーオレンジっぽいよなー」
「えー。にっちゃんは黄色じゃない?」
「そんで、けーとは花緑青」
「何それ。何色?」

蒼太とどうよう、何故そうポンポンと日本の伝統色が出てくるのかと紘都の周りをよく観察してみると、何やら分厚い本を隠し持っていた。よくよくタイトルを見てみると和色辞典と書かれていた。

「ラッパ少年はー小豆色」
「それって、普通の戦隊で言うピンク的存在?」
「大正解〜」
「嫌だよ。あっちゃんがヒロインなんて。色も微妙だし」
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