□お礼のお礼のお礼
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この日、琴乃と由愛は田中さんの本宅に呼ばれていた。

「琴ちゃん。今日って何の用事かな?」
「さぁ。それにしても、こんな服まで用意して…」

そして、現在、琴乃と由愛は田中さんチョイスのパーティードレスを身にまとっていた。

「可愛いお洋服だよね」
「…そうだね」

田中さんってやっぱり、良いおじいちゃんだなぁ〜。などと由愛が思っている頃、琴乃は、こんなことするから、ロリコンなんて言われるんだよね。などと考えていた。


そんなことを考えていると、軽いノックの後に、いつものメンツ、琉聖・蒼・譲が入ってきた。

「お待たせいたしました」
「お。似合ってるじゃん。琴乃嬢、藤原嬢」
「ホントだ。よく似合ってますよ」
「あ、蒼君、琉聖君、譲君。えっと、今日って…」
「それは、旦那様に会ってからのお楽しみです」

譲が意味深げにニッコリと微笑んだ。

「でも、わざわざこの服、用意してくれたの?」
「はい」
「ってか、サイズぴったりなんだけど」

琴乃がボソリと呟くと蒼が微笑んだ。

「旦那様は素晴らしい人ですから」
「・・・ロリの上に変態か…。お先真っ暗って感じですね」

今度は琴乃が微笑んだ。
どうやら、二人の間に火花が散っているようなのだが、他のメンバーたちは、ほほえましい会話をしているように見えているらしい。

「蒼先輩。そろそろ、会場に」
「うん。そうだね」

そして案内された部屋に入ると中には、正装した田中さんと、何故かコンピ研の広島紘都がいた。

「あれ? 紘都君!?」
「あー。センパーイ。どーもでーす」
「どうして、ココに?」
「俺もー、タローさんに呼ばれたんでーす」
「で、メンドイんで、今日呼んだ理由をちゃっちゃと話してくれませんか」

席に着く前に琴乃が、由愛と紘都の会話を切った。

「いえ、ただ、我が家に招待したかっただけですよ」
「こんな服まで用意してですか?」
「お気に召しませんでしたか?」
「いや、理由を聞いてるんですよ」
「ただ、招待したかっただけ。では、答えになっていないと?」
「そうですね。ここまでしてもらう理由が無い」
「それは、困りましたね。これだけの料理、私と広島君だけでは食べきれそうにないもので」

そう言って、田中さんが見せたテーブルの上には、4人であっても食べきれるかどうか謎な量の料理が並べられていた。

「すごぉーい!! これ、全部田中さんが用意したんですか!?」
「作ったのは、そこにいる蒼たちですよ」
「蒼君たちが!? すごーい」
「これくらい、大したことありませんよ」
「いいえ!! 蒼先輩はすごいです!! 琉聖さんなんか、隣で邪魔してただけですし」
「なんだと!? 俺だって、ちゃんと毒見をしてたっつーの」
「毒なんて入っているわけないじゃないですか。ホント、琉聖さんは頭、悪いですね」
「琉聖、譲。お客様の前だよ」
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