年間行事

□七夕
1ページ/3ページ

「笹の葉さ〜らさら〜♪」

そんな部長の歌で始まった今回のお話は、七夕です。

「遥、何浮かれてんの?」
「あ、千波。見てコレ」

遥は、嬉しそうに150pはあろうかという笹を千波に見せた。

「うん。笹だね。それが何?」
「だって、もうすぐ七夕でしょ!?」
「まぁ、そうだけど、それとウチらと何か関係ある?」
「うっわ、信じらんない。七夕っていったら、年間行事じゃん。アタシ、行事は大切にしようって、昨日決めたから」
「昨日かよ」
「それで、7月7日水曜日にアタシたち吹奏楽部は七夕パーティーを開きまーす」
「いぇーい」
「ホゥ」

どこからともなく、舞と花子が現れた。

「うわっ!!」
「七夕パーティー楽しみだね」
「Huuuu。七夕〜」
「そんなに楽しみなわけ?」
「うん。だって七夕だよ」
「ホゥ」
「・・・・・・ちょっと、誰か常識人いないの〜? この危険三角地帯をアタシ一人に押し付けないで〜」
「千波、あきらめよ。ってわけで、詳しい話は全員集まってからね」

それから、数分後。
遥は指揮台の上に立ち、パイプ椅子に座らせた部員たちをじっくり眺めると、先ほどの話の続きを始めた。

「7月7日の夜、8時からアタシたち吹奏楽部は七夕パーティーを開催しますっ!! 場所はココ(部室)。ちなみに、学校の許可は取ってません。だって、絶対許可下りないから。だから、こっそりバレないように学校に忍び込むからね」
「楽しそうだね」

そんな遥の意見にまず賛成したのは、一番前の椅子に座る前田心愛。さすが、特攻隊長。

「ホゥ。やる〜」
「楽しそうだよね」

お約束の山崎花子と黒木舞。

「ま、部長が良いならいいんじゃない?」

そして、副部長の菅原真由。

「部長と副部長がいいなら」

まぁ、少しあきらめも入っている及川咲良。

「反対っ! もしバレたときなんて言い訳するの?」

反対したのは熊谷千波一人だけだった。

「はい、千波の意見は置いといて。琴乃と由愛ちゃんは?」
「ん、パス」
「えぇ。何で!? 絶対楽しいよ」
「夜9時に寝るから無理」
「早っ!! いまどき小学生でも9時に寝てないでしょ」
「じゃぁ、由愛ちゃんは?」
「私も、その日はちょっと予定があるの。ごめんね、遥ちゃん」
「ううん。七夕なんてビックイベントをこんな直前でやろうなんて企画したアタシが悪いの。気使わせちゃってごめんね、由愛ちゃん」

これで、参加メンバーは決まったようだ。参加するのは、部長の遥、副部長の真由、心愛、花子、舞、咲良、そして千波だ。

「って、ちょっとまって。何でアタシの名前入ってるの!?」
「え、だって、千波も参加するでしょ?」
「いや、まぁ、皆が参加するなら、するけど・・・」
「じゃぁ、いいじゃん。よーし、当日は遅くても7時50分には部室に来ててね」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ