年間行事

□名探偵ハルカの事件簿
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それは、ある麗らかな昼下がりに起こった。

「きゃぁー」

可愛らしい由愛の悲鳴を聞きつけ、遥たちは部室に飛び込んだ。

「由愛ちゃんっ!! どうしたの!?」
「は、遥ちゃん・・・。あ、あれ・・・」

由愛の指さす方、そこには、変わり果てた姿の花子が横たわっていた。

「花子っ!!」
「千波。触っちゃダメだよ」
「遥!?」
「現場の保存は殺人事件の鉄則だからね」
「あの・・・遊んでます?」
「そんなことないよ〜」

とか、言いつつ遥はどこか楽しそうだ。
完璧に遊んでいる。

「っつーか、殺人なの? 事故とか」
「えー。それじゃぁ、楽しくないよ」
「おい。不謹慎だぞ」
「はい、はい。よーし、犯人を探そうっ!」
「はーい」
「イェーイ」

舞と心愛は悪乗りした。」

「じゃぁ、まずはアリバイだねっ!! まず、舞っ!」
「えっとぉ。いつのアリバイ?」
「だから、花子の死亡推定時刻のだよ」
「・・・いつだっけ?」
「・・・今から1時間前だね! たぶん」

今、考えたな。確実に。

「うーんと。1時間前なら、教室で授業受けてたよ」
「それなら、花子だって受けてたよ」

花子と同じクラスの心愛から重要な意見がでた。

「ってことは、授業が終わってから、由愛ちゃんが発見するまでに殺されたってコトになるよね」

まぁ、普通の人はそう考えるよね。ってか、ちょっと気づくの遅すぎじゃない?

「じゃぁ、今から約20分間のアリバイが無い人が犯人だっ!!」
「って、誰だよ」
「ってわけで、舞は?」
「私は渡り廊下の掃除してたよ」
「それを証明できる人は?」
「鈴と一緒だったよっ!!」
「鈴は証人になりませんっ!!」
「えぇ〜。なぁんでぇ〜」
「じゃ、千波は?」
「アタシは真由や咲良と教室の掃除してたよ」
「うーん。咲良がいるなら本当っぽいなぁ」
「おい!!」

今のところ、犯人ではないとされているのは、及川咲良、熊谷千波、菅原真由と、遥の性格上、藤原由愛あたりだろうか。

「じゃぁ、琴乃は?」
「た・・っさんと電話」
「誰?」
「近くに由愛ちゃんがいたよ」
「うん。琴ちゃんが電話してるの私、見てたよ」
「そっか。じゃぁ、犯人じゃないのかぁ。じゃぁ、
心愛は?」
「私は、花子探してブラブラと。途中で坂井に会ったよ」
「そっかぁ。坂井センセーに会ってるんじゃ、違うか〜」
「そーゆー遥は何してたんだよ!?」
「え、アタシ? アタシは教室で絵描いてたよ」
「証明できる人は?」
「いるわけないじゃん」

全員の視線が遥に集中した。
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