年間行事

□キャンプ〜後編〜
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前回までのあらすじ

みごとコンピ研の魔の手から我らが姫を守り抜いたアタシたちは、いよいよキャンプ最終日を迎えていた。

「はぁ〜。何か、3日間って短かったよね」
「今度は1ヶ月くらい来たいよね」
「いやいやいや。昨日、由愛ちゃん探すとかで、まる1日ほとんど飲まず食わずだったじゃん」
「そうそう。初日だって、ほとんどまともなモノ食べられなかったし」
「えぇ。それこそサバイバルキャンプの醍醐味でしょ」
「いや、そんな醍醐味いらないから」
「それより、テントたたむの手伝ってよ」

現在、遥たちは帰り支度の真っ最中だった。
大きめのテントをたたみ、調理場を解体し、ゴミをまとめていると、琴乃と由愛が戻ってきた。

「遥ちゃん」
「由愛ちゃんっ!! 無事でよかった〜っ!!」

遥は、由愛の姿をとらえると、由愛に飛びついた。

「遥っ! 感動の再会は後にして、片付け手伝ってよ。1時に船くるんだから」
「あ、はーい」
「琴乃。テントとかどうしたらいい? どこかに運ばなきゃいけない?」
「あー。そのままでいいんじゃない?」
「ホントに? 片づけるなら、人数いるから運ぶけど」
「いいって。あの人たちの仕事だし」
「あの人?」
「そう言えば、紘都君がタローさんがどうたらって言ってたけど」
「・・・ウチらの次にまた別の人が来るらしくて、その人達が使うからそのままでいいらしいよ(棒読み)」
「そっか。なぁんだ。じゃ、帰るまでに少し時間があるね」
「Huuuuuu。遊ぼう〜」
「うん。遊ぼうっ!!」
「ちょ、おい。もうすぐ帰るっつってるだろ」
「大丈夫、あと2時間もあるよ」
「後、2時間しかないんだってば」

「琴ちゃん。あれ」
「あー、うん」

琴乃はポケットからカンペをとりだし、無表情に読み始めた。もちろん、以下棒読み。

「そういえば、知り合いがこの辺に宝が埋まってるとか言ってたような・・・。掘ってみる価値はあるかも」
「宝物!? マジ!? 掘る、掘るっ!!」

遥はやる気だ。

「本当に!? 楽しそうだね」
「Huuuuu。宝探し〜」

舞と花子もやる気だ。

「ちょっとメンドイけど宝には興味あるかも」

そして、心愛もやる気らしい。

「まぁ、言い出したら聞かないし」
「遥がやるなら・・・」

そして、諦めきっている真由と咲良。とりのこされた千波は・・・

「はぁ。仕方ないなぁ・・・」

とか、言いつつ、どこかソワソワして本当は楽しみなようだ。

「じゃぁ、決定〜っ!!」
「あ、こんなところに宝の地図が(棒読み)」

ポケットから取り出した、四つ折りの白い紙をわざとらしく地面に落した。

「マジ!?」

すかさず遥がそれを拾った。

「すげぇ〜。宝の地図だっ!!」
「ナマ宝の地図っ!!」
「よーし。チーム対抗の宝探しだーっ!! じゃ、アタシ達は3チームに分かれて、あと、後輩も入れて4チームで勝負しようっ!!」
「後輩って、どこにいるの?」
「呼べば来るよ。紘都くーん!!?」

遥は空に向かって大声で呼び始めた。それも、自分の部活の後輩ではなく、コンピ研の部長の方を。

「じゃーん☆紘都参上っ!!」

地面が割れたかと思うと、紘都を始めいつものメンバーが地面の中からせりあがってきた。

「うわっ!!」
「カッコいいっ!! 何これ」
「この島のー地下はーアリの巣状にー迷路になってるんでーす。そしてーその行先はー俺のー秘密基地なんでーす」

「よーし。じゃぁ、4組に分かれようっ!!」
「ちょ、4組って、ウチらは3×3×3でしょ? でも、そっちは6人ってずるくね?」
「そこは、ほら。1コ下だしハンデってことで」
「まぁ、いいけど。それで、どうやって分かれる?」
「うーん。そうだなぁ。あみだくじで決めようっ!」

そして、結果発表♪

A班 遥・花子・舞
B班 千波・咲良・由愛
C班 心愛・真由・琴乃
D班 紘都・慶介・啓人・晴希・蒼太・新

何か、偏っているような気もしないでもないが、班はこれで決定したようだ。

「よーし。探すぞ〜」
「って、地図はどうするの? 1枚しかないんでしょ?」
「それは、ねぇ? 琴乃。コピーとかできない?」
「はぁ。人数分あるよ」
「準備よすぎ」
「よーし。それじゃぁ、よーいスタートっ!!」
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