年間行事

□祭り〜2年生編〜
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「今日、祭りか」

9月某日(土)。
啓人・晴希・蒼太の3人は部活に行くために道をトコトコ歩いていた。
そんな時彼らの横を、浴衣を着た子供が駆けて行った。

「あぁ。そうみたいだな」
「秋祭り? こんな時期にお祭りなんてあったっけ?」
「収穫祭じゃないか? そういう祭りなら何回かあるみたいだし」
「へぇ〜。あ、なぁっ!! これから祭り、行かねぇ!?」
「えっ!! これから部活だよ、にっちゃん」
「ンなもん、サボっちまえ」
「って言ってもな。来月の頭には体育祭もあるし」
「体育祭っつっても、今まで吹いた曲エンドレスで吹くだけだろ?」
「そうだけど…蒼太からも何か――」
「サボろうっ!!」
「蒼太もか…」
「ンじゃぁ、決定な」
「うん。行こうっ!!」
「はぁ。一応、先輩にメールしとくか」
「おぉ、頼むな。なんか適当に理由作っとけよ」
「あぁ」

啓人は先輩にメールを打ち始めた。

「あ、あっちゃんはどうする?」
「新? ほっときゃいいだろ」

「んぇっ!? 呼んだ!?」

「えっ!?」
「はっ!?」

背後から声がかかり、振り返るとそこには見慣れすぎた同じ部活の古川新と何故かコンピュータ研究会の広島紘都と根本慶介が立っていた。

「新」
「それに、ひーちゃんとけーちゃん!? どうしてココに?」
「部活に決まってるだろー」
「コンピ研って部活してたんだ。ってか、ひーちゃんの家、学校の隣じゃん。なんでこんな所にいるの!?」
「祭りやってたってーけーすけがー言ってたからー遊びに♪」
「へぇ〜。オレたちもこれからお祭り行こうかって話してたんだ」
「なぁー、部活はどーしたんだよー?」
「え、そんなのサボりに決まってるじゃん」
「うーわ。部長センパーイに怒られるぞー」
「大丈夫だよ。宇津ちゃんが適当に理由作ってくれてるし」
「あー、けーとならセンパーイに取り入るの上手そーだしなー」

そうこう言っている間にも啓人は遥にメールを送信してしまったようだ。

「送ったのか?」
「あぁ。氏子をしている神社で祭りがあって、そこの手伝いで今日の部活にはいけないって内容のメールを送っておいた。晴希と蒼太も一緒に手伝ってもらってるってな」
「ナイス。それじゃ、行くか」
「おーっ!!」
「え、ひーちゃんも一緒に行くの?」
「いーもーん。なぁーなんか置いていくからー。行くぞ、けーすけ。ラッパ少年っ!!」
「んぇ。待って」
「紘都。走るなよ」

紘都は先陣をきって祭りの人ごみの中に駆けて行った。
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