小説

□たんぽぽ戦争・Episode1
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「いや、一週間も休む気?」
「んー、5日くらい大丈夫じゃない? インフルエンザですとか」
「いや、もうすぐ初夏だよ? この時期にインフル?」
「うん」
「…そんなにヒマなら体育科襲撃したら?」

この子は森琴乃。アタシと同じ3年2組の生徒で担当楽器はサックス。ちょっと……いや、かなり協調性がありません。あと、日々気分で生きてます。

「体育科を……」
「襲撃……!?」
「面白そうっ!!」

まぁ、アタシ達ならそうなるよね。今のアタシ達の状況は⇒1、暇。2、暇。3、暇。4、体育科が嫌い。なんだから。

「よし。そうと決まれば、さっそく」

と、アタシが立ちあがった瞬間、千波がストップをかけた。

「ちょっとまった」
「ん? どうしたの?」
「襲撃って武器も作戦もなし?」
「何とかなるんじゃない?」
「おいっ」
「ま、そうだよね」

どうしたものかと、悩ませているとそこにやってきたのが。

「おっつー」

3年3組の前田心愛です。普段やる気がない割に、行動力は並はずれている特攻隊長です。ちなみに楽器はクラリネット。
その心愛が、段ボール箱を抱えて部室に入ってきました。

「何? その箱」
「あ、これ? ドアの前に置いてあったんだけど、誰の?」

周りを見渡したけど、誰も手を挙げる者はいません。

「ま、落ちてたんだし」
「そうだよね。拾ったもの勝ちだよね」
「しかも、ご丁寧に部室の前でしょ? アタシ達のもの同然じゃん」

と、そんなこんなで、心愛の拾った段ボールはアタシ達のものになりました。

「早く開けなよ」

千波にせかされながら開いてみると、中から出てきたのは、ピンクやブルー、グリーンなどのカラーボールが十数個と小型のバズーカ。後、手のひらサイズの拳銃が5丁ほどです。

「何これ、武器!?」
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