小説
□たんぽぽ戦争・Episode2
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3限の始め。私たちは体育館のギャラリーにいます。ここには、朝はいなかった心愛と花子が加わっています。
「あれ? 琴乃は?」
「あぁ。アタシのフォロー頼んできた」
「フォロー?」
「ずるっ」
いや、それより、アタシのフォローってことは、同じクラスの舞のフォローは頼んでないんだろうね。たぶん。もうお分かりの通り、舞とはこういうキャラなのです。
「じゃ、誰が行く?」
「あ、アタシ」
千波が、先日の落し物ボックスに入っていたバズーカを取り出した。
「それ、持ってきたの?」
「うん。やっぱさー、銃とかチマチマしたのより、こっちの方がアタシらしいかなって。ってわけで、この銃は舞にあげる」
「えっ? えっ? これって、本物?」
「じゃぁさ、舞の頭に打ち込んでみる?」
遥・・・。それはさすがにヒドイような。。
「うぅ。遥ァ。許してください〜」
何をだよ。ホント、意味不明なんだから、舞は。
「まったく、舞なんだから」
いや、遥のその発言も意味不明だけど。
「じゃ、アタシ、やっちゃうよ?」
「オッケー。ちゃっちゃとやっちゃって」
そして、千波は、体育館でバスケの試合をしている生徒&関教諭めがけてバズーカを構えた。そして、発射3秒前、2、1、GO!!
ズバーン
今更だけど、バズーカの弾って一緒に箱に入ってたのかな?
ベチャ ベチョ ベト
嫌ぁな音とともに体育館はピンクやブルー、イエロー、カラフルに染め上げられていった。ってか、バズーカの中に入ってたのってペイント弾だったの?
「なんだこれはっ!!」
下の方で関が喚いていた。関の他、2年生の男子生徒多数が被害にあっているようだ。髪とか顔とかジャージがこれまた、色とりどりに染まっていた。これが制服だったら、今日1日、いや、洗濯しても落ちそうにないだろうから当分の間は悲惨なことになっただろう。
ま、ジャージでも十分悲惨だけどね。
「うわ、キモッ」
「何事!?」
「うーわー、ペイント弾だー」
下の方で次々に上がる悲鳴に近い非難の声。その声をバックミュージックに私たちはその場からバックレた。