小説

□たんぽぽ戦争・三途の川
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「えっと、こんな所で蒼太君は何やってるの!?」
「あ、俺、武器屋の店長やってるんです」

そう言うと、蒼太君は近くに建っていた小屋って言ったら悪いのかな。お店に私たちを案内してくれました。
そこは、ベニヤ板でできた簡単なお家で、色は…えっと、黒? っぽいかな。入口には、メイドインHiroto三途の川支店と書かれていました。

「中にどうぞ」
「すっご。いろんなの売ってるねぇ」
「あ、アタシバズーカの弾無いんだった。いくら?」
「5個入りで2560円です」
「結構いい値段するねぇ。遥。これって部費で落ちる?」
「えー自腹でお願いします」
「あ、お金、トイチでいいなら貸しますよ」

トイチ? トイチってなんだろ。それにしても、武器屋さんだけじゃなくて金融業? までやってるなんて、蒼太君すごい。

「いや、それは遠慮しときます」
「え、そうですか?」
「ってわけで、遥。部費でなんとかして」
「もう。しょうがないなぁ。じゃぁ、1人5000円まで部費で支給しまーす」
「やった。それでこそ部長」

遥ちゃんは、1人ずつに5000円の入った封筒を渡していった。って、私ももらっちゃっていいのかな? 私、武器なんて持ってないんだけど。

「よーし、レッツお買いものターイム」
「イェーイ」

みんなは、5000円を手にお店の中に入って行った。あんまり大きなお店じゃないのに、皆で入っちゃって大丈夫かな?

「蒼太。あのことセンパイ達に言わなくていいのか?」
「えー。大丈夫じゃない?」
「んぇ!? 何が?」
「新、ちょっと黙っててくれないか?」

あれ? 蒼太君達が集まって何か話し込んでるみたい。でも、よく聞こえないなぁ。何のお話だろう。
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