小説

□たんぽぽ戦争・生徒会役員登場
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「しょ、笑君。落ち着いて」
「西村さんもちゃんと分かってるから」

暴れだしかねない勢いの笑を横に立っていた書記の河野秋良と美春があわてて抑えた。この2人、双子で美春の方が姉である。

「そこで、遥。この請求書、全て生徒会が肩代わりしてもいいですよ」
「えっ!! ホントに!?」
「ただし、条件があります」
「えぇ〜。条件? メンドクサイのは嫌だな〜」
「簡単なことです。今から卒業までの数ヶ月間をおとなしく過ごすことです」
「卒業までをおとなしく? アタシたちにそんなことできるわけないじゃん」
「では、この請求書の総額127万飛んで56円を今すぐ払いますか?」
「そんなの無理だって」
「遥。私はそんなに難しいことを言っていますか? たった数カ月、おとなしくしていればいいだけのことでしょう」
「どっちも嫌だから」
「遥」
「だってーアタシにおとなしくなんて無理でしょ? それにお金もないし」
「遥!」
「ってかさぁ、会長。そんなこと言っちゃっていいの? アタシがなんの準備もなしにこんなトコくると思った? 切り札は最後まで取っておくものだよ」
「切り札?」
「アタシ、知ってるんだから。生徒会が賭博やってるって」
「な、何で知ってるんやっ!!」
「笑、少し黙っていてください」
「笑君。おとなしくしてようよ」
「今の会長を刺激しちゃダメ」
「もし、生徒会が賭博などをしていて、その証拠がどこにあるのですか?」

会長のこの一言を待っていましたとばかりに、遥はUSBフラッシュメモリーをポケットから取り出した。

「ここにあるよ」
「・・・では、その中身を確認しても良いですか?」
「えっ、何で!?」
「確認しなければ、本当にそれが賭博の証拠だと分からないでしょ」
「ちゃんと証拠だもん」
「それが本当なら見せてください」
「だから、それは・・・あっ! ほら、会長に渡してデータ消されたら嫌だし」
「そんなことしませんから、見せなさい」
「いーやーだーっ!!」
「遥」
「こんなの無くても、生徒会が賭博してるって知ってるんだから」

捨て台詞? なのかどうかは分からないが、言葉を発しながら、遥は生徒会室を飛び出した。
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