小説

□たんぽぽ戦争・黄泉の国
2ページ/3ページ

「とにかく探そうよ」
「だね」
「まずは、ココが何なのかを知らないとね! ホラ今までだって、三途の川だの地獄だのあったわけだから、ここにも何かしらあるんでしょ?」
「あぁ。それなら、たぶんココは黄泉の国の入り口じゃないかと思います」
「黄泉の国!?」
「あそこに黄泉平坂があります」
「あの坂の先が黄泉の国です」
「うかつに近寄らない方が身のためッスよ」

何でこの子たちはこんなにも詳しいんだろう。ってか普通黄泉の国ってイザナミとかくらいしか知らなくない?

「じゃ、じゃぁ。あの坂には近づかない方向で新を探そう!!」

遥、この子たちの会話についていけないな。

「とりあえず、全員で探しても効率悪いからいくつかに分かれて探そう」

おぉ。さすが部長。一応、考えてるんだね。

「じゃぁ、蒼太君たちこの辺に詳しそうだから3つのグループに分かれようか」
「そうだね。じゃ、アタシは晴希と探すよ。パーカッションつながりで」
「じゃぁ、アタシは金管つながりで蒼太君」
「おい、部長。宇津君も金管だからね」

あー、えっとついて来れてます? パーカッションって言うのは、打楽器のことで、金管っていうのは、拭き口がメッキで出来てる楽器の事です。トランペットとかトロンボーンとかの事で、逆に木管っていうのは、リードとか使ってる楽器でクラリネットとかサックスの事です。あ、フルートは吹き口は銀色でも木管楽器です。昔、拭き口は木で出来ていたんだとか。

「えー、だってさー。宇津君は同じテューバで花子が一緒に行くじゃん」
「もういいよ。皆で回れば」
「えー。だってー効率がー」
「ダダこねない」
「はぁーい」

うわ。すっごい不機嫌だ。ってか、そろそろ進まないとずっとこんなトコに突っ立ってるわけにもいかないし。

「もう、呼べば来るんじゃない? 新〜っ!!」

・・・・・・。

まぁ、そんな簡単に出てきたら苦労しないよね。辺りは静かなものだよ。虫の声一つしない。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ