□セカンドコンタクト
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「あ、こんばんは。今日は、お招きありがとうございます」
「いえいえ。楽しんでおられますか?」
「あ、はい。いえ、えっと・・・」
「いいんですよ。私が調子に乗っていろいろと声を掛けてしまったものですから」
「すごいですね。総理大臣とかいました」
「彼は、昔からの悪友でしてね」
「そうなんですか。総理大臣とお友達ってすごいですね」
「そんなことはないですよ。あぁ、どうぞあちらにドリンクなども用意してありますので」

田中さんの視線の先には、シャンパングラスでタワーが建設されていた。

「シャンパンタワーだぁっ!! テレビでよく見るのだよね!? すごぉいっ!!」
「あんなモノ、誰が建てるんですか?」
「あれは、琉聖、蒼、譲の3人で作ったモノですよ」
「執事さんてそんなことまでできるんですねっ!!」
「アレたちは、執事といっても、まだ学生でね。見習い中なんですよ」
「学生? 誰がですか?」
「3人ともですよ」
「えっ!! 琉聖さんも蒼さんも!? 譲君は・・・何か分かりますけど」
「えぇ。琉聖は貴女方と同じ高校3年生で蒼は2年、譲は1年です」
「信じられない。ちょっと、ショックかも」
「申し訳ありませんね」
「い、いいえ」
「ところで、今日は本当に夕涼み会とかいうだけのためにウチらを呼んだんですか?」
「と、いいますと?」
「9時には寝たいんで、用件があるならお早めにお願いします」
「琴ちゃん。9時に寝るって本当だったの!?」
「ん? うん」
「私てっきり、今日のための言い訳なのかと思ってた」
「分かりました。では、場所を変えましょうか」

田中さんは、琴乃と由愛を室内へと案内した。
そこは、来る時には通らなかった屋敷内部に通じる廊下で、高そうな花瓶やら絵画やらが飾れ、下には真っ赤な絨毯が敷かれていた。

「すごい。お城みたい」
「あぁ、そうそう。貴女達のお知り合いでしたね。広島君というのは」
「はぁ。まぁ、知り合いってほどでもないですけど」
「先ほど、門の前にいたので声を掛けておきましたよ」

田中さんの言うとおり、通された部屋で、コンピ研部長の広島紘都がちゃっかりお茶を飲みながらくつろいでいた。

「紘都君!? どうして?」
「どーもでーす。実はーまたまた俺のー成金レーダーが反応しちゃったものでーこっそりついて来ちゃいましたー。でもーここセキュリティーが頑丈すぎでー全然中に入れなくてー困ってたんですよー」
「申し訳ありませんね。ウチのセキュリティーは独自なものなので、破られることは絶対にありません」
「そー言われるとー破りたくなるのが人の性ですよねー」
「ははは。どうぞ、心行くまでチャレンジしてみてください」
「もーっちろーん」
「さて。では、今日お集まりいただいたのはですね。具体的にどう支援すればいいのか相談したかったからです」
「支援?」
「ほら、前回、ウチらの戦争援助してくれることになったじゃん」
「あぁ。そっか。そうだよね」
「まぁ、支援って言われても、ほとんどがあるもので何とかやってきたみたいだし、ねぇ?」
「うん。遥ちゃんたちの持ってる武器は、全部拾ったんだよね?」
「まぁ、そこのカレの陰謀だと思うけど」
「カレ? って、紘都君のこと?」
「そーいえばーセンパーイなぁーのコトもカレってー呼んでるらしいーっすねー」
「名前、覚えるの面倒じゃん?」
「俺的にはーなぁーの名前なんかー覚えなくてもーオッケーだとー思いまーす」
「いや、君の名前も覚えてないから。ってか、話をはぐらかさない」
「ちぇー。バレたかー。そーでーす。吹奏楽部の部室の前に武器置いたのはー俺でーす。あと、市民体育館爆発させたのもー俺が作ったービックリたんぽぽなのでーす」
「そうだったの!?」
「イェース! おかげでー請求書とか溜まっちゃってーこの間生徒会からー怒られたばっかりなんでーす」
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