□文化祭
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「おもしろかったですね」

劇が終わり、会場から多くの人が出ていった。

「うーん。難しかったかな」
「まぁ、シェークスピアの4大悲劇だしね」
「琴ちゃんは分かった?」
「まぁ、なんとなく」
「ボクは、琉聖の大根演技しか見てなかったので内容はあんまり把握してません」

それも、それでどうかと思うが。

「次、何処行きます? 蒼達生徒会がバザーとかやってますよ」
「バザー? 行ってみたいっ!!」
「じゃぁ、行きましょう。蒼、いるかな」
「蒼君って生徒会入ってるんだね」
「え? 蒼は生徒会長ですよ。去年は琉聖も生徒会長やってたんですよ」
「そうなの?」
「はい。田中様のお力です。だから、多分来年は譲が会長やってると思います」
「そしたら、譲君の次はまもりちゃんだね」
「ボクですか? ボク、勉強はちょっと苦手なんです。だから、東大付属に入れるかどうか・・・」
「そんなことないよ!! 権田さんの権力で入れるよ!!」
「由愛ちゃん。それフォローじゃないうえに、とどめ刺してるから」
「えっ!?」
「そうですよね。もし、ダメだったら旦那様の権力を使えばいいんですよね」

この時琴乃は「いや、ダメだろ」と思っていた。

「あ、ここです。生徒会主催のバザーコーナー」
「わぁ〜。すごぉーい。いろいろなモノがあるんだね」
「一応、お金持ち学校なのでボクたち一般人とモノの価値観が違うんです」
「森様、藤原様、いらっしゃいませ」

背後から声を掛けられ振り返るとそこには、制服姿の蒼が立っていた。

「蒼、ボクもいるよ」
「うん。そうだね。まもりちゃんもいらっしゃい」
「蒼。生徒会の仕事まだあるの? 蒼と一緒に文化祭回りたい」
「うーん。もう少ししたら交代の時間だから、そうしたら一緒に回ろうか。森様、藤原様、よろしいですか?」
「うん! もちろん。あ、琉聖君や譲君も一緒に回りたいな」
「えぇ〜」

まもりがあからさまに嫌な顔をした。

「まもりちゃん。お客様の前だよ。って、今はまもりちゃんもお客様か」

「あの……」

そんな話をしていると、背後から女子生徒に声を掛けられた。

「蒼様。その子たちは蒼様とどういった関係なのですか?」
「か、彼女ですか? 蒼様」

・・・・・・蒼、様?

「彼女達は(旦那様のお客様として)とても大切な方です」
「いやーっ!!」
「やっぱり、蒼様の彼女なんだわ」

蒼さん、カッコの部分言い忘れてますよ。

「何やってんだ? 藤原嬢」
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