年間行事

□七夕
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当日、7時45分。校門。そこには、すでに真由と舞と咲良がいた。どうやら家には帰ってない模様。そこに千波がやってきた。

「あれ、早いね」
「んー。家帰ってないから」
「えっ!! なんで!?」
「ここのメンツ、バス通学だから」
「あぁ、そっか。じゃぁ、今までどこにいたの?」
「石丸書店」
「あぁ。商店街にある本屋ね」
「よくあそこで時間潰してるしっ」
「うーわー迷惑な客」
「本も買うよ。3カ月に1回くらいだけど」
「最低な客だね」
「それより、千波気合い入ってるね。まだ、遥来てないよ」
「いや、あの子は遅刻でしょ。常習犯だし」
「心愛と花子もまだだよ」
「あの2人も同じく常習犯だし」
「だよね」
「っつーか、部室で待ってればよかったのに。なんで校門なんかにいるの?」
「あのね、千波。警備員さんがいるんだよ」
「そりゃまぁ、いるでしょ」
「今、ちょうど見回りの時間みたいで、中、入れないんだよね」
「あぁ。それで」
「うん。ま、どうせみんな集まるんだからここでいいかなって」
「それにしても、曇ってるね」
「織姫と彦星出会えないのかな?」
「いや、雲の上は晴れてるから」
「あっ! そっか」
「まったく舞なんだから」
「ほんとにねぇ。咲良もそう思うよね?」
「う、うん」
「えっ? えっ? えっ? 咲良〜、無理につき合わなくても良いんだよ」
「いや、咲良は無理してないから」
「そうそう。舞が舞なだけ」
「いや、真由。意味分かんないから」
「そぉ?」

それから待つこと20分。予定通り遥以下2名は約束の時間を15分も遅れてやってきた。

「お待たせっ」
「って、遥、何その格好」
「あ、これ?」

遥は、浴衣っぽい衣裳を一回転して千波たちによく見せた。

「織姫の衣裳。いやー着付けが難しくってさ。遅くなっちゃった」
「コスプレかよ。気合い入りすぎ」
「だって七夕だよ〜? 当たり前でしょ」
「で? 心愛と花子が遅れた理由は?」
「んー。遥に呼びとめられたから」
「ホゥ。うんうん」
「いいから。中入ろうよ。もう見回りのオッサンいないでしょ?」
「だね」
「あれ? 見回りいたから、校門なんかにいたの?」
「そ。いつまでもこんなトコで話し込んでたら虫に刺されるよ」
「だね。じゃー部室にしゅっぱーつ」

校舎に入ると、警備員のオッサンは事務室でテレビを見ているようだった。そんな事務室の隣をソロリソロリと足音を立てずに遥たちは進んでいった。

「大成功〜」
「やったね、遥」
「まだ気を抜くのは早いよ。アタシの調ではあと一回9時くらいに見回りがあるみたいだから」
「えっ!! そうなの?」

というか、そんな情報をどこから持ってくるのだか。

「さ、ちゃっちゃと七夕パーティーやっちゃお」
「いいけど、七夕パーティーって何するの?」
「え? 短冊書いて、お茶飲んでケーキ食べるんだけど?」
「それだけ?」
「うん。他に何するの?」
「なーんだ。もっと警備員とバトルとかするのかと思った」
「そんなことするわけないじゃん。神聖な七夕なんだよ?」
「いや、七夕が神聖なのかどうかはしらないけど」
「それに、ここまで来るのに、だいぶページ数使っちゃったし」
「ページ数って何?」
「いいからいいから。あ、アタシ短冊作ってきたからみんなでお願い書こうよ」

そう言うと、遥は色とりどりの色が見を全員に配り始めた。
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