年間行事

□キャンプ〜中編〜
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そんなころ、遥・咲良チームの耳に、

「ホゥ!!」
「ぎゃーっ!!」

花子と千波の声が聞こえてきた。

「花子!? 千波っ!!」
「どうしたんだろう」
「きっと、敵にやられたんだ」
「え、敵?」
「うん。きっとそうだよ。咲良、気をつけてね」
「うん!!」

「ジャーン★紘都参上っ!!」

「でたなっ!! 由愛ちゃんはドコ!? いくら、コンピ研だからって、容赦しないからね」
「ヒメならーこの先のログハウスにいまーす」
「じゃぁ、そこをどいてもらおうか」
「それはー無理でーす」
「アタシ、由愛ちゃんに手を出す奴は絶対、許さないから」
「だったらー、力ずくでー俺をーどかしたらーどーですかー?」
「言われなくても、するよ。咲良もいい?」
「うん」

咲良は、うさぎさんスリッパを構えた。

「じゃー俺はーうさぎさんスリッパのー10倍のー威力があるーワニさんスリッパをー使用しまーす」

紘都はワニの頭部の形をしたスリッパを取り出した。

「だったら、アタシはエルメリスを使うから。エルメリスーっ!!」

どこからともなく、竹箒・エルメリスが現れた。

「あー、言い忘れてましたけどー。前回、箒でー空飛べたのはー夢オチだったからでー、今回はー無理☆でーす」
「そんなの、分かんないじゃん!! エルメリスは、小型ジェットエンジンが搭載されている・・・って、設定なんだから」
「は、遥。設定っていうのは、ちょっと」
「そっか。じゃぁ、琴乃の知り合いのお金持ちが改造してくれた。ってことでいい?」
「うん。それなら」
「・・・タローさんですかー。あの人ならやりかねなーい」
「え、タローさん?」
「いーえー。なんでもないでーす」
「よし。咲良、行くよ?」
「うんっ!!」

遥はエルメリスにまたがると、大きく地面を蹴った。
すると、あろうことか、エルメリスは空を飛び始めた。

「うげぇー。タローさんパワーですかー」
「やったっ!! エルメリスいっきまーす。咲良、後ろに乗って」
「うんっ!!」

遥は咲良の手を引くと、そのまま自分の後ろに乗せた。

「空中戦ですかー。けーすけっ!!」

紘都が茂みに向かって声を掛けると、大きく地面が揺れ、パックリと穴が開いた。

「タンポポットー、発射〜っ!!」

紘都の合図とともに地面からどこかのアニメで見たことあるようなロボットが飛び出してきた。

「うわ。何アレ!? かっこいいっ!!」
「ロボット? ガ●ダムとかの?」
「ううん。アタシ、ガ●ダムはずっと見てるけど、あんなのは見たことないよ」
「じゃぁ・・・」
「でも、サ●ライズ系統のロボットに違いないよ」
「サ●ライズ?」
「あ、ごめん。専門用語でちゃった」

「どーでもーいーですけどー。俺、行っきまーす」

紘都はロボットに乗り込むと、発進させた。

「きゃぁ、来たっ!!」

遥はどこか嬉しそうだ。

「1分の1、ガ●ダム的ロボットとバトレるなんて、アタシ幸せっ!!」
「そんなことー言ってる余裕なんてなっしー☆」

紘都は手元の赤いボタンを、鼻歌交じりに押した。

BOM


胸部に当たる部分から、先端の赤いミサイルが発射された。

「遥ぁ。何か来たよ」
「ミサイル!? カッコいいっ!!」
「早く逃げないと」
「そっか。じゃ、咲良! しっかりつかまっててね」
「うんっ!!」

咲良は遥の腰に腕をまわし、ギュッと捕まった。
それを見計らい、遥たちを乗せたエルメリスは急上昇を始めた。

「きゃふぅ〜」
「遥ぁ。すごいねっ!!」
「うん。すごい! アタシっ!!」

と、調子こいてるものの、遥たちの後にはピタリとミサイルがついてきていた。

「遥ぁ。どうするの?」
「咲良。うさぎさんスリッパの準備はいい?」
「うん。いいけど、あんなに大きいの大丈夫かな?」
「ダメ元でやってみよう」
「うん」

咲良は、うさぎさんスリッパを構えると、ミサイルめがけて投げたっ!!
咲良のコントロールは抜群で、うさぎさんスリッパは一直線にミサイルめがけて飛んで行った。

「咲良、天才っ!!」
「えへへ。ありがとう」

と、咲良の功績をたたえていたものの・・・

コッツン

ミサイルに見事直撃したスリッパは、何事もなかったかのように、また咲良の手元に戻ってきてしまった。

「あれ?」
「え、どうして?」

「ふっふっふっふ。なんとーこのミサイルーメイドインHirotoの武器を受け付けないのでーすっ!!」

「ちょ、何それ!? 聞いてないよっ!!」

「だってー言ってないもーん」

「じゃぁ、どうしたらいいの!?」
「遥。落ち着いて」
「うん。そうなんだけど〜」

どぉん  どぉん  どぉん

「何の音!?」

遥たちが音の出所を見つける前に、遥たちの横を黒く大きな丸い何かが、飛び去って行った。

「え、え?」

慌て振り返ると、すぐ後ろでミサイルが爆破しているのが見えた。

「うっそ。やったっ!! でも、何で?」
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