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□せめてものこれが精一杯。
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「いってぇ」

「どうしたの静ちゃん」

「別に
今日はちょっと
頭痛が酷いだけだ」

「静ちゃん顔色悪いよ?
有名な高校受験するからって
最近寝てないんじゃ...
休むなり病院行くなり
した方が...」

「うるせぇな!!」

「人の心配する前に
自分の頭の悪さに
心配しろよ!!
うぜぇんだよ
バ──────カッ」

「なっ
可愛くないなぁ
はいはい
そーかよ勝手にしてなよ!
そこらでぶっ倒れても
知らないからね」

「おや、
いいの?
ほおっておいて」

「いいの!
あんな奴のたれ死のうが
どうなろうが
…せっかく
人が心配してあげてるのに…
くそっ…」

「クスッ
…ああ…

可哀想に静雄君
あんなに具合が
悪そうなのに
ほおっておかれて

誰かが看病しなくては
本当にのたれ死んで
しまいそうですね」

「なっ」

「その時はせめて
僕が手厚く埋葬しましょう
冷たいお兄さんが
見捨てた代わりに」

「へ?」

「わーったよ!
看病するよ
すればいいんでしょ!?」

「うぉあっ」

「おや
優しいお兄さん
じゃないですか
臨也クン」

「お お前が
縁起でもないこと
言うからだろ」

「ちょ
ちょっと…
何!??」

「今日は1日ゆっくり
休んで
これは兄としての
命令だからね!!」

「はぁ!?」

「な 何言ってんだよ
休めるわけないだろ
夕方から
予備校行かないと
今日は大事な
模試の日なのに!!」

「静ちゃんってアホなの??
そんなフラフラで受けた
テストなんて
あてになる??」

「それはそうだが…」

「ってことで
ここら辺にある
勉強道具は預かるからね!」

「え」

「何もそこまでしなくてもよ!!」

「じゃないと
勉強やりだすでしょ
ガリベン!
俺に逆らったら
この本
全部燃やすから?!
薬とか持ってくるから
寝て待ってて!

さーてと
頭が痛いとか言ってたけど
リビングに頭痛薬
あったっけな?

薬を飲むための水…

一応体温計に

頭冷やす冷えピタ

よし
持っていくのは
この位かな?」

「臨也クン
一つ大事な物を
忘れていませんか?」

「へ?
大事な物?」

パチンッ

「…ん…
あれ…
俺いつのまに
寝てたんだろ…

やっぱり臨也の
言うとおり
疲れ
溜まってたのかな…」

────あ

「どうしたの…
それ…」

「えっ
いやあの…

俺の友達が花屋でさ
ひとっぱしりし
買ってきた

そいつが
『花を愛でれば苦しい心
に余裕が出来る』

とかなんとか言っててさ」

「ま、
私は花屋でなく
葬儀屋なのですがね」

《うるさい!!!!
えんぎがわるいでしょ!!》

「……
綺麗だな………

確かに心の余裕なんか
なかったかも
花なんとゆっくり見るの
いつぶりか覚えてねぇし…」

「静ちゃん
昔から頑張ってるからね
勉強

塾行ったり
予備校行ったり」

「ま、
臨也みたいには
なりたくないからな」

「ちょっとしおらしく
なったと思ったら
また………!!!」

「…でも


心配してくれて
ありがとう。







end.
 

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