デュラ小説

□誰が一番?
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「正臣ー。決まった?」

「「帝人(君)」」

キーボードを既に買い終えた帝人と、その付き添いの静雄が正臣と臨也がいるギターのコーナーに来た。正臣は臨也とセリフが被った事に顔をしかめながら
「これとこれで迷ってんだ。」
と、青色と黄色のギターを同時に指した。


「青色にしなよ。」

「いや、でも…」

「ね?」

「その…帝人?」

気のせいか帝人が黒く見える…。

そんな2人を黙視していた臨也がやっぱり黒い笑顔で
「正臣君は黄色の方がいいって言ってたんだからそんなに強要しなくていいじゃない。なんで青色と迷ってるかって?君と一緒で安っぽいからだよ帝人君。」

と早口でまくしたてた。


「うるさいですよ臨也さん。」
「君こそ黙れば?」

2人の間にドス黒い空気が渦巻く。そこに静雄が2人の機嫌を急降下させる爆弾を投下した。

「てめーら黙れ。紀田が困ってんだろうが。」

ギロッ、と2つの矛先が静雄に向いた。

「なに静ちゃん。正臣君と会ったばっかりなくせに正臣君の事一番分かってる様な事言わないでくれない?」

「そうですよ。だいたい正臣の事を一番分かっているのは幼なじみのこの僕ですから。」


「帝人君より俺の方が正臣君の事を深く知ってると思うけど静ちゃん空気読め。」

「臨也さんより僕の方が正臣をとても理解してると思いますけど静雄さん空気読んで下さい。」


お互い口論しながらも、静雄への批判を止めず、静雄の無いようで少しだけあった堪忍袋の緒が切れた。


「てめーらぁぁァッ!いい加減にしろ!!ブッ殺されてーのか!?」


「「ごめんなさい。」」


「紀田。」

輪から外れてポカンとしていた正臣は、静雄に突然名前を呼ばれビクッとした。

「は、はいっ!」

「ほら、買ってやるから欲しいの選べ。楽器は一番欲しいヤツを買うもんだ。」

「で、でも悪いですよ…。」

「静ちゃん抜け駆け禁止」

「あぁ゛っ?」
「兄さん。」

今にも喧嘩が始まりそうな、一発触発の中、無表情でそれでいて格好いい男が現れた。



「幽。」



「駄目だよ兄さん、喧嘩しちゃ。ここ俺の店なんだけど。」

「あぁ、悪ぃ…。」

突如として現れた静雄弟に、正臣と帝人はたじたじだった。

「似てないでしょ。」
ぷ、と笑いながら臨也は正臣に問い掛ける。

「はあ、まぁ…、性格は。」


「顔はどことなく似てるよね。静雄さん、性格面にインパクトありすぎて気づかないけど。」

「ん、そーだな。イケメンだよな。」
俺には負けるけどっ、と正臣は笑いながら言った。


「ちょっとちょっと。どっちかといえば俺の方がイケメンじゃない?」


「………。」

「なんで黙るの!!」




誰が一番?

+++
幽は楽器屋の店長設定。
年齢的に無理だろとかうん知ってる!!
今回一番正臣総受けっぽい。

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