デュラ小説
□練習しないの?
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「楽器決まったね。」
ふふん、と胸を張り言う臨也。
だが誰一人として聞いていなかった。
「すいません静雄さん。結局奢って貰ってしまって。」
「いいんだよ。弟の会社だしな。」
「いえ、この恩は絶対返します!!」
二人仲良く(?)話していた事にほぼ同時に嫉妬した臨也&帝人。
「「正臣(君)あっちいこう。」」
そう言って正臣の腕を引っ張り出した2人。
臨也は右腕、帝人は左腕を。
「痛っ!」
急に引っ張られた正臣は思わず声を出してしまった。
「ちょっと帝人君。正臣君が痛がってるじゃないか。離してあげなよ。」
「臨也さんこそ離すべきだと思いますよ?」
「ちょっ、2人共いい加減離せよ!!助けて静雄さん!」
ついに正臣が静雄に助けを求めた。
「あ、あ゛ー。何すりゃいいんだ?」
臨也はぶっ飛ばしていいと思うが帝人はそうはいかないだろう。そう考えた静雄だが、まさか質問されるとは思って無かった正臣。
「その、と、とりあえず臨也さん剥がして下さい。」
臨也を剥がせば帝人はなんとかなると思って言ったことだが、臨也が強く正臣にしがみついた。
「なんで俺なの?帝人君が離したら俺も離すよ。」
「臨也さんそれ以上正臣に引っ付いていたら殺しますよ。」
「殺すのは流石にヤバいだろ…帝人。」
「ははは、心配してくれてるんだ、正臣君。」
「してません。」
そこまで話した所であっ!と静雄が声を上げた。
「どうしたの、静ちゃん。」
トイレなら外でしてよ、と臨也は挑発的な笑みを浮かべた。
しかし、静雄はからかわれた事にも気付かず、帰る支度を初めている。
「静雄さん帰るんですか?」
「ああ。バイト入ってんだ。」
じゃあなと言い残し、静雄は部室を出ていった。
「あー、すっきりした。」
静雄が出ていくなり呟く臨也。
「寂しいの間違いじゃないんですか?」
ニシシと笑う正臣を、臨也はギロリと睨んだ。
「犯されたいの正臣君。」
「………すいませんでした。」
「分かればいいよ、分かれば。」
「ていうか、練習しなくていいんですか、僕達。」
「「あ。」」
練習しないの?