デュラ小説

□どうしようか?
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臨正しか出てきません。






7時間目の授業の終わりを告げる鐘が鳴る。

それと同時に黒いケースに入った新品のギターを抱え、その少年は駆け出した。




「いっち番!!」

凄い勢いで扉を開けた正臣の目の前には。



「あれ、早いね、正臣君」


大嫌いで。

「…」

見るだけで吐き気がする。

「でも残念だね、一番じゃなくて二番だよ」

「死ね」

オリハライザヤという名の男。





「…静雄さんは、どこいったんすか」

見当たらない金髪を探し、キョロキョロしてみる。

「今日は4時からバイトだって」

「じゃあ、今日は3人ですね」


男はニヤリと笑う。


「ハズレ」

そして指を2本たてる。所謂ピースというやつだ、似合ってない。


ふつふつ湧き上がる嫌な予感。


「帝人君は委員会で休みだから、2人きりだよ。」



………、


………、

…最悪。



「あー、すみません、俺も委員会が…」

「うん、で?」

ずるずると一歩ずつ後退していく。
臨也さんと2人きりとか冗談じゃない。


「今日は俺も休みます…」

相変わらずニコニコしてる臨也さん。
から遠ざかっていく俺。

臨也さんは笑顔なのに、蛇に睨まれた蛙のような気分だ。


一歩一歩ゆっくりと、だけど着実に歩を進めていく。

もう少しでドアノブに手が届く所までに来た。


けどそんな俺の努力を踏みにじるかのように、臨也さんは俺にスタスタと近寄り腕を掴んできた。

「帰らせる訳ないでしょ」

「ですよねー」







(特別レッスン、してあげるよ)(助けてくれ帝人ーー!!)

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