おお振り
□俺たちの関係詞!
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「で、次関係詞ね」
テスト期間に入り部活停止になってから、みんなで集まるとき以外は俺と水谷どちらかの家で勉強するのが習慣になった。
古典も数学も終わり、今日は明日が英語ということもあって水谷家に俺がお邪魔させてもらって英語の勉強をしている。
英語は文系に入るからか俺のほうがちょっぴり得意なので俺が教えているという感じだ。
「関係詞ってあれでしょ?ボンド」
授業で言ってた、と水谷は嬉しそうに言った。
「ボンド?」
「ほら、文と文をくっつけるって」
「ああ、そういうことか」
…水谷は先生が言っている大切なことよりそういう豆知識的なことのほうをよく覚えてくると思う。
「ね、」
「なに?」
急に水谷が引っ付いてきたが気にしないようにして返事を返す。
いちいちドキドキしてたら心臓が持たない。
いまも少し、してるけど。
「俺たちの関係詞ってさ、音楽と甘いものだね」
「は?」
理解できなくて聞き返す。
「だからー、俺たちのくっつくきっかけ!俺、栄口と話せたきっかけは音楽の趣味があったからだし、ケーキだって半分こできたもん」
えへ、と笑う水谷が直視出来なくて目を反らした。
こいつは、もう、天然のたらしだ…
勉強中にだってこんなこと言い出すんだから。
「……もう、変なこと言ってないで続きやるよ!」
最後の強がりを見せたけど
「それとも運命なのかなぁ」
やっぱり水谷には敵わなかった
俺たちの関係詞!
(そんなものなくたって)(くっついてたって!)
このあと水谷は俺らもこの文みたいにくっつこうよ!とか言って引っ叩かれます(笑)