デュラ小説

□やっぱり結局?
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正臣君誕生日おめでとう!!


軽音パロでお送りします(^^)
設定はそのまんまです。


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夜中の十二時。

正臣の携帯はしばらく着信音が鳴り止むことは無かった。



学校のクラスメート、

ナンパで知り合った女の子たち、


沙樹や杏里、門田さんなどなどから送られてくる様々なおめでとうメール。





しかし、ある3人の名前が表示されなかった。




真っ先に送ってくれるだろうと思っていた3人の名前。






音楽がピタリと鳴り止んだ携帯をカチリと戻した。

まだぼうっとついている画面の時刻を確認すると、時計は12時10分を指していた。



「もう、寝よ…」




少しの期待を込めて、携帯を握りしめたまま正臣は眠りについた。










「おはよ、正臣」


「おはよーっ!!」


至って普通に挨拶してくる帝人。

臨也と静雄には教えていないのでともかく、帝人は忘れているのではないか、とも考え正臣は遠まわしに聞いてみることにした。



「なあ、帝人ー。今日何月何日だっけ?」


「えーと、6月19日じゃなかったっけ?」




日付は分かっているらしい。

ふむ、と正臣は考え込む。


帝人め…。(自称)大親友の誕生日を忘れやがって…!!

なにがなんでも思い出させてやる!!


「なーなー帝人ぉ!!」


「…なに?」


「今日って、何の日?」


「えー…。そうだね、確か『理化学研究所創設の日』じゃなかったっけ…?」


「え…?そう、なのかー」


あはは、と笑いつつも正臣は焦っていた。


(そんなのカレンダーにも載ってねーよ!!俺の誕生日もだけど!!)


「そ、そうじゃなくてさ!!ほら、誰かの誕生日とか!!」


「ああ、そっち系?うん、そういえば誕生日だったね」


「だろだろ??」


「太宰治が」


「そうそう太宰治が…って違うー!!」


「何が違うの?今日じゃなかったっけ…」


「太宰治は知らないけどさ、もっと身近にいるだろ?!」




身近?そうだったっけ。首を傾げる帝人に、正臣はもういいよ、と言った。

流石に俺の誕生日だから祝って!!なんて言えなかった。



(だって…なんかそれしたら負けた気がする―――――!!!)




どうにかして思い出させようと正臣は授業中に策を練るのだった。







―――――



結局いい案が思いつかないまま放課後になり、正臣はとぼとぼとした足取りで部室に向かった。


「こんにち「正臣(君)誕生日おめでとう!!」


パーンと鳴り響くクラッカー。


「え、え?」


ポンと頭にのせられた硬い箱。



「紀田、おめでと」



目の前には生クリームたっぷりのホールケーキ。



「あ、ありがとうございます…?」





状況が呑み込めない正臣に、帝人はしてやったりと笑った。


「もう、バレないようにするの大変だったよー」

正臣が何の日かってしつこいんだもん。


笑いが耐えられなかった帝人を見て、正臣は今さらながらに恥ずかしくなった。






そんな空気を断ち切るようにパンパンと鳴らされた乾いた手の音。


「さ、ケーキ食べちゃお!!これはちなみに静ちゃんの奢り」



「え…っ?」


驚く正臣が静雄を仰ぎ見ると、静雄は穏やかな笑みで笑っていた。


「そのかわり、プレゼントはしょぼいけど勘弁してな」


そう言いながら未だ正臣の頭の上に乗っけたまんまだった箱を本人に渡した。


「そんな…貰えるだけでも嬉しいっす!!ありが重ぉっ!!!」



見た目以上に重く、なんとか地面擦れ擦れで持ちこたえた正臣。


「あの、ちょ、開けていいですか…?」


どさ、と地面に降ろしながら中身が気になってしょうがなくなった正臣が聞くと、静雄はうなずいた。



中には参考書数冊と教科書。


「俺が昔使ってたやつだから所々汚れてるかもしれねー」

恥ずかしそうに頭を掻きながら言う静雄に、正臣はありがとうございます!と満面の笑みだった。






「じゃあ、俺からはこれね」


そう言って臨也が取り出したのは静雄より少し小さめの黒いカバンだった。


「え…これは…?」


「ギターのお手入れセット」


うれしい?と笑う臨也にあんたがこんなまともな物くれるなんて驚きました、と正臣は返す。



「でも…嬉しいです。ありがとうございます」

照れたように笑う正臣に、皮肉を言おうとした臨也は固まってしまった。


「…別に、ご褒美だって。正臣君頑張ってるしね?」



珍しく他人を褒めた臨也にそれぞれが目を見開き…それからどっと笑ったのだった。

―――臨也だけは不満そうな顔をしていたのだが。





「じゃあ、最後に僕ね」


はい、と手のひらにぽんと置かれたのはギターのキーホルダー。






「え、これって……」



以前帝人と楽器屋に行き、見つけたそれ。

欲しくてもお金に余裕がなく渋々諦めたもの。


「覚えてて、くれたのか……」

驚いたように問いかける正臣に、帝人はくすりと笑いかけた。


「あたりまえでしょ?だって、僕たち、親友…なんでしょ?」


「疑問形かよ!!ならば答えてやろう。3択で「それ前にも聞いた」


「細かいことは気にすんなって!!」


「まあ、紀田君の自称だしね」


「え、ちょ、自称って!!しかも呼び方戻ってね??」







きゃいきゃいとはしゃぐ2人を臨也と静雄は微笑ましそうに…


「このクソノミ虫、それじゃ明らかにてめーのが一番多いだろーが!!」


「ちがうよー、これは俺のじゃなくて正臣君の。俺のはこっち♪」


「それも2番目に多いだろーが!!これは俺が買ってきたケーキなんだから俺がそれ食うのがあたりめーじゃねぇか」


「大丈夫、静ちゃんの当り前は少なくとも常識ではないから」


「ぶっ殺す!!!」






――――…見ていませんでした(^p^)/









「ちなみにそのキーホルダー僕とお揃「わ、ちょ、何やってんスか二人とも!!」






本格的に喧嘩を始めた2人を正臣が諫め、帝人がボールペンを取り出しはじめ、結局最後はいつもどうりの一同であったのだった。

















やっぱり結局?







完!!


♪補足的なあとがき♪

正臣君誕生日おめでとう!!
今回はいつもよりも少しはっちゃけた感じでお送りしました(-v-)
全部のカップリングをなるべく均等になるよう入れたつもりです。
臨正が少ないのは、普段一番多くなってしまっていると思ったので今回は少し自粛(^_^;)
帝人は聞かれることを予測してあらかじめ19日の記念日を調べていました。
他にもさくらんぼの日とか、ベースボールの日とかあったんですけど一番面白そうな理化学…にしました(笑)
静雄の教科書を提案したのは実は臨也という裏設定があります。
そのことも入れようかなとも思ったんですけど、ただグダグダと長くなってしまいそうだったんで止めました。
帝人クンのキーホルダーはもちろんキーボードだよ!!(^O^)


最後まで読んでくださってありがとうございました!!

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