おお振り

□蝶々
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おれさあ、将来の夢蝶々だったんだ


水谷が言った言葉に周りがシーンとなる。

結婚するとか鳥になるとかじゃなく、あえて蝶々を選ぶのがとてもあいつらしいなと思った。


「なにそれ。超非現実的だな」

まあ、そういいたい阿部の気持ちもわかる。

生まれ変わりではなく、将来の夢なのだから、明らかに蝶々なんて種類が違う生き物には頑張っても慣れないと思う。


「でも、なんで蝶々なんだ?飛びたいだけなら鳥でもいいだろ?」

「うーん。だって


  綺麗じゃん

        」


あっけからんと言い放った水谷の顔は清々しいに尽きるの一言で。

俺は思わず笑ってしまった。


「はは、お前らしいな」

そう思ったのは俺だけじゃないようで。

いつも童顔の割に眉間に皺が寄っていて妙に大人びている阿部の顔も柔和なそれに変わっていた。

「ふは、はは」

そーかな、なんて水谷は照れるから、とても笑えてきて。

「お前なら蝶になれるよ。根拠はないけど!」

なんて口走ってしまった。





でも、




なれる気がするんだ





俺は、さ

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