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□そんなキミに愛を込めて
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1日の仕事が終わり帰路へと着く。
今日は何かあったっけか?と思いながら煙草に火を付け口に運ぶ。
空へとあがっていく煙を眺めながら、口から煙草を放して紫煙を吐く。
「♪〜〜♪〜」
携帯から音が流れてくる。
足を止めて携帯を開くと幽からのメールで、
"兄さん、誕生日おめでとう。
今日は会いに行けそうにないからプレゼント送ったから見てくれたら嬉しいな。"
そのメールで自分が誕生日が今日だったかと思い出す。
幽に感謝のメールを返して、また再び足を進めた。
いきなり後ろから声がかけられて振り返る。
「シーズちゃん!」
「あ゙ん?」
「久々だね〜。相変わらず元気そうで何より。」
皮肉を含んだ言葉にイラつきを感じながら臨也を睨む。
「池袋に何の用だ、てめぇ‥‥‥」
「え〜?じゃあカルシウム足りなさそうな静ちゃんに質問です。今日は何日でしょーか?」
唐突の質問にイラつきも失せて答える。
「は?1月の28日がどうしたっつーんだよ、ぁ゙あ゙?」
「あ〜、怖い恐い。今日はキミの誕生日でしょ?はい、これ。」
渡された紙袋の中には白い箱。
「じゃあね〜」
一方的に渡して臨也は去っていった。
再度、袋の中をみるとカードが入っていて
"ちゃんと食べてよね"
とだけ書いてあり、
箱を開けると中身はプリンで、少しデコレーションが施されている。
「ったく、素直じゃねーなぁ‥‥‥アイツはよぉ‥‥‥‥」
煙草の煙を肺の奥まで入れて紫煙を吐き出す。
歩き出した静雄の足取りは軽く、行き交う人々は平和島静雄がやけに機嫌が良いことに不信に思う人が多かったとかそうじゃないとか。
夜の池袋は賑やかで、
今日も更けていった。
Fin.