DetectiveConan
□かき氷より君が食べたい
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「なぁなぁ平次ー。」
総司はさっきっから俺の名前を呼んでいる。そりゃ何べんも。
「あー、もう何やねん、総司!」
「えー?平次が何べん呼んでも相手にしてくれへんねんもん‥‥‥」
「そないなことが何なんや。」
「せっかく俺と平次しかおらんのやしひっつきたいやん?」
確かに今父親は仕事、母親は近所の人等と出かけていていない。
だからといってこんな暑い夏にひっつかれたら余計暑くて鬱陶しいなる。
「ひっつきたいやん?やないやろーがっ!真夏やぞ?むちゃくちゃ暑いんのにひっつきたいやつが何処におんねん!」
「はーぃ、俺。」
総司が手を挙げながら言う。
アホらし。と思い総司を押し退けて自分のことに集中しようとする。
「あーっ、平次!無視らんといてっ!」
1人ぎゃーぎゃー騒ぐ総司をよそ目に平次は新聞を読み始めた。
暫くして静かになり顔をあげると総司はいない。
「?」
総司が突然やって来て突然消えるのはいつものことだ。
「へーじ!」
また少し時間が経ち、名前を呼ばれ肩をトントンとたたかれ振り返ると総司がかき氷片手に戻ってきた所だった。
「総司がそないなことするなんて明日は赤い雪でも降るんちゃうか?」
「せっかく持って来たったやのに酷いわー」
珍しいなと思いそう言うととヘラヘラっと総司は笑う。
机の上に2種類のかき氷が置かれる。
総司は苺練乳の白玉入りで俺のはただのメロンに白玉入り。
ここのかき氷はとても美味しくて近所にあるかき氷屋で人気の店。
老夫婦が営む店でかき氷に練乳や白玉を頼むと入れてくれる。
「やっぱ、夏と言ったらここのかき氷やな〜」
「そやな〜」
総司のも美味そうやな〜なんて眺めていたら何や食いたいん?なんて訊ねられる。
「いや、俺これあるし」
「そーかー?」
「おぅ、」
「んー‥‥」
「何や?」
「そや!」
総司は何か閃いたらしくニコリと笑って口にかき氷を含んだ。
そして右手を机に置いてのりだしてくる。
頭の中にクエスチョンマークを浮かべながら眺めていたら左手で後頭部を抑えられ口を塞がれた。
次の瞬間、口を総司の舌が割って入り少し溶けたかき氷が口の中に入ってくる。
何をされているかやっと頭が理解し抵抗するとあっさりと離れた。
「ちょ、おま、総司!!何すんねん!」
「何って口移しやで?」
「そら知っとるわっ!何でしたんか聞いとんねんっ!」
「せやかて平次が食いたそうな顔すんねんもん、しゃーないやん。」
「アホか!せやたら、スプーンさしだしたらええやないか!」
「あ、思いつかへんかった。」
「最悪やわ、ほんまにっ///」
あ〜ん、てするんもよかったかもしれへんな〜と呟く総司を余所に平次は1人耳まで赤く染まったのであった。
Fin.
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