DetectiveConan
□嫉妬(やきもち)という名の挑戦状 沖平
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「はぁ‥‥‥」
西の名探偵は今日もため息ばかりである。
その理由はこないだから降り続く雨である。関西も梅雨入りしたために雨が降ってばかりなのだ。
(ちょっとばかし晴れてもぇえやないか…)
「はぁ‥‥‥雨ばっかやと気ぃ滅入るわぁ‥‥‥‥」
「なんや、雨嫌いなん?俺は雨好きやけどなぁ〜」
返ってくるはずのない返事に耳を疑う。
振り返るとそこに立っていたのは総司だった。
「何でお前かおるんやっ!」
「あ、いやな、ちょっと暇やったからお前ん家に来てみたんよ」
「意味が分からへんわっ!!!大体な総司、毎回言ってるやないか!何で勝手に上がってくんねんっ」
毎度のことだが平次は総司に怒鳴る。
「ぇえやん。どうせ暇やろ?」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥。」
そして、結局流されるのだ。
*****
「なぁ、平次、お前工藤とか言うやつ好きなん?」
いきなり放たれた総司の言葉に平次は飲んでいたお茶を噴いた。
「‥‥ゴホッ‥‥ゴホッっ;;」
「おー‥‥‥平次、大丈夫か?」
「‥‥‥っ‥‥大丈夫なわけないやろっ;;」
咳き込み過ぎて涙目になる平次を見ながら総司は平次の背中を擦る。思わず可愛いと思った。
「‥‥んで、総司。いきなりお前は何がいいたいんや。」
「んー‥‥‥その工藤とかいうんやつが気になったから。」
総司は相変わらず笑顔で飄々と言ってのける。その笑顔は雨が降っていても少し部屋を明るくした気がした。
「‥‥‥はぁ?」
「せやから、平次がよく話しとるからどないなやつかと思ったんや。」
「なんや‥‥そうことか。工藤は東の名探偵っつー高校生探偵や。」
「ふぅ〜ん。俺等と同い年か?」
「おぅ、ミステリー小説好きなやつやな。何度か事件とか解決したり‥‥‥食べに行ったことがあるな〜‥‥あ、大阪にも呼んだことあったわ。」
平次は今までにあったことを振り返りながら少しずつ話していく。
だいたいこんな感じだったと話して総司の顔を改めて見ると笑顔だが、どこか暗いようなつまらないというような感じがした。
「‥‥‥総司?」
「ん?」
「黙ったまんまでどないしたん?お前が聞いてきたから喋ってるんやで?」
「いやぁな、ちょっとばかし考えごとをなwでも、ちゃぁーんと聞いとったよ?」
「嘘つけ、ほな、何話しとったかいいてみぃ。総司。」
「せやからあれやろ?サッカー出来てミステリー小説好きの平次とおんなし推理バカやろ?」
ニンマリと笑って平次に目で"違うか?"と聞いてくる。
その顔にはさっき平次が感じた表情はなく、いつもの総司に戻っていた。
「何で、俺とおんなし推理バカになるんや!あいつはあいつや。ま、確かに推理は好きやけど‥‥‥」
「やっぱ、お前は危ないなぁ〜。そんなんやから狙われるんや。」
「はぃ?‥‥‥‥何やて?」
総司はまた平次へ愛おしく微笑み、頬にキスを送る。
総司の行動に平次は呆然となっていて、ポカンという言葉がピッタリだ。
「覚悟しときや?平次。」
Fin