DetectiveConan

□小さな幸せ
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「今日も寒いわ〜‥‥‥」

「せやな‥‥平次」



2人肩を並べて大阪の街。
今日は珍しく部活もなく、休日な2人は特に何処かへ行くあてもなく歩いていた。
街は相変わらずいろんな人が溢れかえっている。



「あぁ〜‥‥寒い、寒い!なんでよりによってカイロが売り切れなんよ;;;」



今年は例年に比べてとても寒いらしくカイロなどの防寒具が飛ぶように売れていて、売り切れになってしまうこともしばしば‥‥‥



「寒い寒いゆーても何も変わらんで?平次。」

「寒いんやからしゃーないやろ‥‥お前、寒くないん?」



手を擦りながら聞いてくるその仕草がなんとなく可愛い。



「寒いに決まってるやないか。でもな、寒いゆーても外やし余計さむーなるだけやろ‥‥ちゃうか?」

「うー‥‥‥確かにそやけど」

「ん〜‥‥ちょぃ、平次待っとき」

「?おう。」



総司が平次を置いて1人歩いて行った。
目で追ってみると総司は自動販売機で飲み物を買ってきた。



「ほれ」



そう言われて投げられたのは温かなミルクティーの缶。
総司はカフェオレ。



「温かいやろ?」

「まぁな〜」

「なんや、いらんねやったら返せや。」

「いらんゆうてないやないか!ありがとな」

「最初っから言わんからや。」



また、くだらない話をそれぞれ缶の飲み物を飲みながら歩く。
喋る度に白く薄化粧した息が空へと上る。
雪が降りそうなほどの体温以上氷点下以下の寒さな割りには空は高く晴れていて綺麗だ。

缶の中身は次第になくってまた寒く感じた。



「寒い‥‥‥‥」

「そやな‥‥‥」



同じ言葉を繰り返しながら何度目か繰り返したときに総司が平次の手をそっと握ってポケットにいれる。









ただ歩いて店を見てまわるそれだけの‥‥‥






たった2人でいる時間が‥‥‥‥






そんな些細なことが嬉しい。










空は綺麗な茜色から夕空から夜空に変わりつつあって曖昧な色をしている。



「あ、雪‥‥‥」



平次の小さい声が聞こえて空を見上げるとその小さな訪問者がゆっくりと舞い降りて、地面を少しずつ白へと染め上げていく。



「ほんまや‥‥‥」



暫く立ち止まって落ちてくる雪を眺めて、ふと総司の顔が一瞬近くなったと思ったら平次の視界が真っ暗になった。

そして同時に唇が塞がれた。



「//////っ‥‥」



ほんの一瞬で平次が耳まで赤く染まる。



「耳まで赤くて可愛ぇえな」

「人おんのに何すんねんっ//」

「ん?今幸せやと感じたから。」

「答えになっとらん!///」

「ぇえやん。好きやからしたんやし♪」

「〜〜〜〜〜っ///」








そう、幸せと感じたから。



雪もこの思いのように人が埋もれるくらい積もればいい。






そう思った。










END.




→後書き

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