diletto angelo
□episodeV
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コンコン
ベッドで寝ていると、ノックの音が聞こえた。
それと同時に、無駄に高い声が扉越しに響く。
「ボス?私よ、ルッスーリアよ。エミリアちゃんを連れてきたわよ〜」
ルッスーリアの声に、俺は寝ぼけた頭を起こした。
・・・・・・だが、エミリアって誰だ?
俺が頭を捻っていると、ルッスーリアが部屋に入ってきた。
その後ろに、隠れるように小さな影も入ってきた。
「おい、誰だそれは?」
率直に言うと、ルッスーリアは、怪訝な顔をした。
「ヤダ!エミリアちゃんよぉ!ボスが拾ってきた子じゃないの!」
その言葉に、俺は昨日の事を思い出し、ああ、と、気の抜けた声を上げた。
しかし、あのガキはこんなだったか?
俺は、ルッスーリアの影に隠れるカスをまじまじと見つめた。
金色の髪は綺麗に輝き、緩いウェーブがかかっている。
相変わらず白い肌だが、頬は淡く色付き、大きな蒼い瞳が俺を見つめている。
服は純白のワンピースを纏い、胸元に大きなリボンがあしらわれていた。
朝に見たアイツとはあまりにも違い、まるで別人のようだ。
「・・・どこか、変?」
無言で見ていたのを、感じてか、カスは不安げに尋ねた。
「別に」
「全然変じゃないわ!!むしろ、すっごく可愛いわよ!!エミリアちゃんったら、何着せても似合うんだもの!!私、服選びに苦労したわ〜!!」
俺の言葉を遮り、ルッスーリアが興奮して声を上げる。
すると、ガキは恥ずかしそうにはにかんだ。
可愛いっ!!とルッスーリアが抱き付いて、オロオロしていたが、そろそろ鬱陶しいので、ルッスーリアは部屋から追い出した。
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