diletto angelo

□episodeU
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「ボス・・・その娘は何ですか?」


皆の一番聞きたかった事を、レヴィが尋ねると、このカスボスは、サラリととんでもねー事を口走った。















「拾った」










『はあ!?!?』










「うるせぇな。とりあえず、コイツはこれからここに住む。面倒見てやれ」


あまりの展開に、全員が絶句してそのガキを見る。
ガキはその視線にビビり、遂に泣き出した。
しかし、そんな状況を無視して、ボスは立ち上がった。


「報告は以上だ。俺は寝る」


そう言うと、ボスはガキを置いてそのまま部屋を出て行った。










「・・・・・・で、どうすんの?」

「俺が知るかぁ」


ベルに聞かれ、俺は不機嫌に答えた。

あんな説明で、俺達にどうしろというのだ。
第一、『拾った』って何だ。
『拾った』って。
どこでこんなガキ拾ってきやがったんだ。
あのボスがこんななよっちぃガキに興味を持つなど、あり得ねぇ。
だがしかし、人は見かけで判断出来ねぇしな。

俺は見定めるように、じっとガキを見つめる。
すると、ガキは息を飲んで、慌ててソファーの影に隠れた。



・・・・・・・・・・・・ダメだ。
どう見ても強いようには見えねぇ・・・・・・。



ボスの意図が全く分からず、俺は頭を抱えたくなった。
すると、ルッスーリアがそのガキに近付いた。


「初めまして。私はルッスーリアよ。ルッス姐さんって呼んでねぇ。これからよろしくねん♪」


そう言って、ルッスーリアはソファーを挟んで、自己紹介をした。
しかし、ガキは怖がって震えたままだ。


「ルッスーリアセンパーイ、怖がってますよー。いきなりオカマは刺激が強過ぎですー」

「まっ!どういう意味よフラン?」

「そのまんまの意味ですー」


いつもの毒舌を従えて、今度はフランが声を上げた。


「見た目は怪しいですけど、根は良い人ですよー。ミーはフランですー」


気の抜けた声を上げながら、フランがガキに近付く。
すると、ガキが初めて怯え以外の感情を表に表した。


「・・・・・・カエル」


フランの被り物を見て、ガキがぼそりと呟いた。


「あ、これですかー?好きで被ってるわけじゃないんですけどー、センパイ達がつけろってうるさいんですよー。興味ありますかー?」


フランの問いかけに、コクンと素直に頷く。
フランは頭からカエルを外すと、ガキの目の前に差し出した。
ガキは恐る恐るそれを手に取って、まじまじと眺めた後、微かに笑った。





「・・・かわいい・・・・・・」

『!!』





不覚にも、ドキッとしてしまった。
突然笑うから、驚いた。
・・・こんな顔も出来るんじゃねぇかぁ。
そう思ったのは俺だけではなかったようで、皆口々に声を上げる。


「やだ、笑うともっと可愛いわぁ」

「ミー初めてこの被り物があって良かったと思いましたー」

「へぇ・・・。良く見たら、なかなか上玉じゃん」

「・・・・・・よ、妖艶だ・・・」


カエルがすっかり気に入ったのか、ガキは表情を柔らかくして、カエルを眺めている。


「そんなんより、王子がもっといいもんやるぜ?」






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