diletto angelo

□episodeU
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そして、その笑顔のまま、こう言った。




















「・・・ありがとう。お姉さん」















「おねっ!?!?」

「あはははは!!もうダメ!!王子、笑い過ぎて死ぬっ!!」

「スクアーロ隊長に向かって『お姉さん』とは、エミリアって結構度胸がありますねー。それとも天然ですかー?」

「まぁ・・・。女に見えなくもないわよね。髪長いし」

「俺よりひどいな」


好き勝手に言いやがるカス共に、俺はとうとうブチギレた。


「てめぇらぁぁぁ!!三枚に卸すぞ!!それからエミリア!!俺は男だあ゙!!」

「ご、ごめんなさいっ・・・!!」


俺がそう怒鳴ると、エミリアはまた泣き出した。


「あー。またスクアーロ隊長がエミリアを泣かせましたー」

「ししっ。嫌われるぜ?」

「ボスにチクってやる」

「あらあら、ホラ、泣かないの。スクアーロは元々声が大きいのよ。怖がらなくて大丈夫よ」

「ふぇっ・・・こ、怖い・・・・・・ぐすっ」


エミリア以外の視線が、『なんとかしろ』と、俺に伝えやがる。
だから何で俺なんだよ!!


「い、いちいち泣くなあ!!第一、俺は悪くねぇぞお!!俺にはS(スペルビ)・スクアーロっつー名前がちゃんとあんだよ!!」


やけくそになって怒鳴ると、エミリアは更に泣き出した。

だあああああ!!
だから泣かせるつもりはねぇんだよ!!


「スクアーロ!これ以上泣かせてどうするのよ!」


ルッスーリアはそう言うと、エミリアの頭を撫でた。


「大丈夫よー。私がちゃんと叱っとくから。ホラ、エミリアちゃん、一回アナタお風呂に入ってきなさい。大分汚れてるわ。お洋服もボロボロね。私がもっと可愛いのを用意してあげるわ!じゃあ、案内してあげるわね!」


ルッスーリアはそう言って、泣きじゃくるエミリアの手を引いて、部屋を出て行った。






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