diletto angelo
□episodeV
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一番印象の強そうな奴の名前が出て来ないので、俺がそう言うと、ガキは頭の上にクエスチョンマークを浮かべた。
「・・・誰?」
「あ?あの無駄に長髪で、無駄に声のデケェカスだ」
特徴を示してやると、ソイツは渋い顔をした。
「私・・・あの人キライ・・・。すぐ怒る。・・・・・・怖い」
どうやら、俺が去った後も、あのカス鮫は怒鳴り散らしていたらしい。
怖がらすなって命令したはずだが・・・・・・かっ消すぞ。
「気が合うな。俺もアイツが嫌いだ」
俺がそう言うと、ソイツは、一緒、と、笑った。
俺はなんとなく手を伸ばし、その頭を撫でた。
すると突然、ソイツから俺に問いかけてきた。
「ねぇ。ザンザスは、ボスなの?」
「何だ、急に」
「だって、みんなボスって呼ぶ・・・。何のボス?」
「俺はヴァリアーのボスだ」
「ヴァリアー・・・?」
首を傾げるカスに、俺はヴァリアーについて説明してやる事にした。
「ヴァリアーってのは、ボンゴレ独立暗殺部隊の事だ。俺はここのボスで、あのカス共は幹部だ。そして、ここは、ヴァリアーのアジトだ。ここには、俺とあのカス共が住んでる。他のカス部下は別館にいるから、基本、ここにいるのは俺達だけだ」
「ボンゴレ・・・。あの、最強のマフィアの?」
捕まっていた身とはいえ、長い間マフィアと繋がっていたため、コイツはボンゴレを知っているようだ。
まあ、当然だがな。
「・・・じゃあ、ザンザスって、すごく偉いボスだね」
「やっと気付いたのか?カスが」
俺が鼻で笑うと、カスは眉を下げた。
「どうした?」
「・・・・・・みんなも・・・マフィアなんだね・・・」
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