diletto angelo

□episodeV
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その言葉に、俺は、コイツを見つけた時の事を思い出した。
あの様子から、きっと酷い扱いを受けていた事は容易に察しがつく。
コイツは、マフィアが嫌いなのだろう。
だから、拾われた相手もマフィアだった事に、少なからずショックを受けているに違いねぇ。


「お前は俺達が嫌いか?」


不意に口から零れ落ちた言葉に、俺自身驚いた。
これでは、俺はコイツに嫌われたくねぇみたいじゃねぇか。
大体、コイツを拾った事自体が、もう既に俺が俺に驚いている。

俺らしくねぇ。

その一言につきる。



「・・・私、マフィアは嫌い」


ガキの言葉に、俺はただ、そうか、と、頷いた。


「でも・・・ザンザスやみんなは・・・・・・・・・嫌いじゃない・・・」


予想外の発言に、俺はソイツの目を見た。





「ねぇ・・・。私・・・ここに居ていい・・・?」





マリンブルーの澄んだ瞳は、とても綺麗だった。





「・・・・・・・・・好きにしろ、カスが」


俺の言葉に、カスは嬉しそうに笑った。


「これからよろしくね。ボス・・・」

「ザンザス」

「?」

「俺の名前は『ボス』じゃなくて『ザンザス』だ」


そう伝えると、ガキはキョトンとした後、


「うん。・・・・・・じゃあ、私の事も、カスじゃなくて、エミリアって呼んで」


と、フワリと柔らかく笑った。
その笑顔を見て、俺はフッと笑った。


「気が向いたらな」




















嫌いじゃない





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