diletto angelo

□episodeW
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「エミリアが捕まってた!?」

「うん」

「どこに!?」

「・・・・・・・・・マフィア」


少し躊躇った後、エミリアはそう答えた。


「・・・10年間捕まっててね。私、9才の時から、外に出た事なかったんだ・・・。誰かと、こんな風に、仲良く話す事も・・・・・・」


エミリアの表情が、段々と曇っていく。
何で捕まったのかは知らねーけど、きっと、辛い10年だっただろう。
柄にもなく、俺まで辛くなってきて、俺は後ろからエミリアを抱き締めた。


「・・・・・・ベル・・・?」


エミリアが不思議そうに、振り返る。
そんなエミリアに向かって、俺は笑った。


「じゃあ、これからは王子と一緒にたくさん出掛けようぜ!それに、たくさん遊んでやるから!」


俺がそう言うと、エミリアは、一瞬驚いたように目を見張った後、その目を嬉しそうに細めた。





「うん」


笑顔で頷いたエミリアは、とても綺麗だった。
顔とかが、とかじゃなくて、純粋で、ただひたすら素直に嬉しさを表すエミリアが、綺麗だと思った。
その笑顔に魅せられていると、エミリアが俯きながら、ボソボソと呟いている。


「・・・じゃあ、ベル・・・・・・私と友達になってくれる?」


その言葉に、俺は抱き締める力を強くした。


「何言ってんだよ!俺とエミリアはもう仲間じゃん!」

「・・・ほんと?」

「ああ。嘘なんてつかねーよ。・・・・・・だって俺、王子だもん」

「そっか。ベル、王子だもんね」


いつもなら、スクアーロやフランに『意味分かんねー』なんて言われる口癖も、エミリアは純粋に受け止めてくれた。






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