大好きだけど大嫌い
□大嫌い
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あなたの隣にいたい。
それは叶わない願いでした。今でもそれはかわらない。
誰が何を言ったってあいつと彼女が別れない限りかわらない。かわれない。
きっと誰だってただの平凡な男友達と恋人なら恋人を選ぶ。わかってるよ。わかってる。
「永遠、散歩に行こうか」
永遠はしっぽをふりながらついてくる。可愛い俺の大切な唯一の家族。たまには一緒に一日じゅう遊びたいから。昨日病院で知った運命は俺の余命。もう、やり残すことがないように。いつ死んでもいいように俺は最後の準備をしなきゃいけない。
「永遠ごめんね、あと三ヶ月しか一緒にいられない・・・」
でも余命を知った今、わかったことがある。本当は好きで好きで仕方なかっただけだって。彼女を憎んでいたんじゃなくてただ羨ましかったんだ。
俺にはないものがあって俺じゃないことが。
そして、ずっとあいつに見合わない自分が憎かった。でもきっとこうなる運命なんだって思ったら、最後に幸せな幸福な二人を見たくなった。
俺にはできないから―――――
でもさ、できるなら
できるなら、
一緒に幸福になりたかった。
そして最後まで一緒にいたかった。