大好きだけど大嫌い

□大嫌い
1ページ/1ページ


あなたの隣にいたい。
それは叶わない願いでした。今でもそれはかわらない。

誰が何を言ったってあいつと彼女が別れない限りかわらない。かわれない。

きっと誰だってただの平凡な男友達と恋人なら恋人を選ぶ。わかってるよ。わかってる。


「永遠、散歩に行こうか」

永遠はしっぽをふりながらついてくる。可愛い俺の大切な唯一の家族。たまには一緒に一日じゅう遊びたいから。昨日病院で知った運命は俺の余命。もう、やり残すことがないように。いつ死んでもいいように俺は最後の準備をしなきゃいけない。

「永遠ごめんね、あと三ヶ月しか一緒にいられない・・・」

でも余命を知った今、わかったことがある。本当は好きで好きで仕方なかっただけだって。彼女を憎んでいたんじゃなくてただ羨ましかったんだ。

俺にはないものがあって俺じゃないことが。

そして、ずっとあいつに見合わない自分が憎かった。でもきっとこうなる運命なんだって思ったら、最後に幸せな幸福な二人を見たくなった。

俺にはできないから―――――











































でもさ、できるなら



















できるなら、







一緒に幸福になりたかった。






















そして最後まで一緒にいたかった。
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ