*ツナツナ*
□Cielo×2 @
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それはいきなり起きた。
ある日の帰りなんとなく後ろから誰かついて来てる感じがした。
しかもそいつはただならぬ気配を漂わせている。
まぁ、言うなれば殺気みたいなもの…
「ヤバい……」
今は1人だ。ちょっと先生の手伝いをしていたので遅くなってしまった俺
…どうしよう…家まではもうちょっとだけど…
「綱吉ー!!」
「つッ、ツナ兄!!」
前方から走って来るツナ兄。今来たらまずい。ところが、ツナ兄も何かを感じ取ったらしい。
「……綱吉」
「うん、後ろと右にいると思う」
「そういう事なら、父さん帰ってきたんだ」
俺達の父さんはイタリアにほとんどいて、めったに帰ってこない。マフィアの門外顧問をやってるらしいけど……
「父さんならなんとかしてくれるかなぁ??」
ツナ兄が問い掛けて来る。俺は頷くのと同時に走り出した。今回はツナ兄もついてこれている。
なんとか家につくと、父さんが玄関から飛び出てきた。
「綱吉ぃぃぃ〜〜!!」
「父さっ!!げふぅぅっっ!!」
あまりにも強く抱きしめるので変な声が出てしまった。そんなことより今はこの状況をなんとかしなければ……
「父さん、あのね?いま「ちょっと出かけて来るぞー!!」
俺の話を無視して行ってしまった父さん……
「はぁ…だめだぁ……」
とりあえず家に入った。しかし、しばらくは殺気の持ち主も動くことはなく夜になり、父さんが帰ってきた。
「動かないなぁ…」
夕食を食べ終わって部屋にいると突然、顔の横を掠めて壁に穴が空いた。
「っっっ!!」
頬から血がたれてくる。俺はすくむ足を必死に言うことを聞かせようとするが、なかなか立てずにいると、今度は左手を掠める。これは本当にヤバいと思い、はいつくばって物影に隠れる。
「綱吉ー!!どうしたー??」
この状況を知ってか知らずか父さんが階段を上りながら問い掛けて来る。
しかし、俺も10歳だ、声など出るわけがない。
何かを感じ取ったらしい父さんは少しドアを開けるとだずねる。
「…何が起きてるんだ??」
「………ぃ、いま…打たれっ…たっ…」
震える声で返事をするとどこから出して来たのか銃を構えて狙撃主の方へ打つ。
しばらくすると、打ち合う音が消え、無傷の父さんが俺に手を差し延べる。
「大丈夫か綱吉??」
「ん…ちょっと痛いけど…」
「悪いな、こんな思いさせちまって…」
申し訳なさそうに言う父さんに大丈夫だよと返事をする。
その次の日父さんはまたイタリアへと発った。 それからしばらく平和な日々を過ごしていた。ある日学校から帰ってきてテレビを見ながらボーッとしていたら、電話がかかってきた。
「もしもし??」
「もしもし、俺だ。綱吉か??」
電話の主は父さんだった。
「そうだよ??」
「ちょうど良かった。お前に話があるんだ。来週、イタリアに来なさい」
「……へ??」
意味が全くわからない。父さんが言うには身を守るためだとか、能力をのばすためだとかで俺だけがイタリアに行くらしい……
「父さんが決めたことは絶対だもんなぁ……」
きっと、学校にも話がいっていて母さんも反対はしないと思う。
「諦めるしかないのか……」
次の日からお別れモードに入り、俺は友人達と家族と別れて、イタリアに発った。