創作

□あおぞら六重奏〜解放!さあ飛び立とう!〜
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 スパン!と祥生は二人の腕を叩き落とした。

「ヨッシー?」
「祥生?」

 いきなりの事に目を丸くする二人の間に、自分の腕を割り込ませる。

「は・な・れ・る!」

 祥生はその腕に力を込め、ほぼゼロだった二人の距離を2m近くまで強引に押し開いた。

「わ、わっと!ヨッシー?」
「…祥生?」

 静弥と京太郎は幼馴染の乱入に驚き、戸惑いの声で名を読んだ。
 その豆鉄砲を喰らった鳩のような顔もそっくりで、祥生の苛立ちは益々膨れ上がる。

「二人とも、ここ廊下だよ?通行の邪魔。少しは自重しなって」

 尤もらしい事を言って二人を離れさせようとする祥生。

 だが、『天然』と称される幼馴染にはいまいち効果がない。
 抱き合うまではしないものの、また二人は身体を寄せ合い肩をくっつけた。

 更に手まで繋いだ状態で、不思議そうに祥生を窺う。

「ピリピリしちゃって、どしたの?ヨッシー」
「どしたの、って…」

 100%判らないといった表情で首を傾げる静弥に、祥生の鋭い視線が突き刺さる。
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