創作

□あおぞら六重奏〜解放!さあ飛び立とう!〜
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「協力してくれる?」

 頭を傾げた拍子に、朋絵の艶やかな黒髪がさらりと流れる。
 その際立ち上るシャンプーの香りを、ただいい匂いとだけ感じ、京太郎は頷いた。

 元より友情に篤い京太郎である。友の為になると言うのなら、協力は惜しまない。

 そんな親友に笑顔を向けた後、朋絵は息を吸い込んだ。

「静弥ちゃん!祥生ちゃん!」
「!?」

 珍しい朋絵の大声に、呼ばれた二人は目を円くして振り向いた。
 口を閉ざし、凛と立つ朋絵を見つめる。

「……」

 ギャラリーも思わず姿勢を正し、息をつめて朋絵の次の行動を待った。

 注目を一身に浴びた朋絵は、にこりと笑う。

「ケンカ両成敗」

 花のような笑顔から、予測していない言葉が飛び出す。

「よって、京太郎ちゃんは没収します」
「え?」
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