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□最期に見た夢の夢
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 沈む 沈む 沈む。

 栄光の大地が 太陽が 俺が。

 たくさんのアカを吸い込んだ地面が割れ
 世界を赤く染め上げる夕陽を視界に収め
 先端の色素が薄い紅髪を風になびかせて。

 沈んで 沈んで 沈んでいく。

 栄光の大地と呼ばれた戦場が 生命の源と謳われる日が ルーク・フォン・ファブレが。

 沈み 沈んで 沈む。

 ああ けれども あれだけは

 夕陽は沈み 朝陽となり再び昇る それは世界の理

 ユリアよ ローレライよ オールドラントよ!

 俺達が 愛し 護った この世界が未だ果て無いというのなら

「・・・たいようを・・・」

 沈んでも浮上する赤の希望を下さい 何でもない世界の決まり事が ただ愛しくて

 ああ 沈んでいく

 アカ 赤 紅。

 望む赤は もう見られない

 暗闇の中で瞳を閉じても やはりそこには赤は無く 黒ばかりが広がっていた

 瞼を開けてもそれは変わらない
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