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□心の奥の《中編》
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「・・・うん、いい香りだ・・・色も良い」
「いいえ・・・陛下の前ではどんな美しい花も霞みましょう・・・」
「そんなことはない、ギュンター・・・その証拠に、お前は私の隣にあってこそ美しく輝くではないか」
「陛下・・・!!」


なんじゃありゃーーーーーーーーー!!?

有利は声にならない叫びを上げた。
声にならなかったので、中庭にいる人物には聞こえなかった。
ピンスポットでも当たっているのかと疑うほど、彼らは輝いていた。無駄すぎるほど光り輝いていた。

それに愕然となる有利のとなりでは、護衛が神妙な瞳で中庭の二人の様子を観察している。

「ギュンターと・・・ユーリ、ですね。外見は」
「違う違う違う!!俺じゃない!あんなの俺じゃなーーーい!!」
「落ち着いてユーリ・・・気持ちはわかるけど・・・」

有利ごと壁に身体を隠し、そっと様子を窺い見る。
優秀(だったと思う)王佐のとなりに立つのは誰あろう、最上の君主、渋谷有利だった。
外見だけから言えば。
「何だよ何々だよあれは!?あの不必要なほど光ってんのは!」
「曲者・・・というには、怪しい感じはありませんが・・・」
「ありまくりだろーーー!!ぐーあー!止めてくれー!俺の顔で歯を光らせるな!小指を立たせるなーーー!!」

発狂したようにもがく有利を宥めていると、今度は別の人物の気配をウェラー卿は察する。

「落ち着いて、ユーリ・・・向こうから誰かきます・・・」
「へぇ!?」

中庭を挟んで反対側の廊下から現れたのは

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