しゃららん
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「先輩、まだ居たんスか?」
「うん……名残惜しくて…なかなか帰れへんねん」
先輩は今日 四天王寺中を卒業した。俺は先輩のことが好きで、でも当の本人はまったく気付いてなく毎日俺に純粋な笑顔をくれる。その笑顔に眩暈しそう。
「光くんと会えへんくなるんは寂しいわ」
「冗談よしてくださいよ。俺は先輩の顔見なくてええかと思ったら清々しますわ」
「ひどいなー…」
ひどいのはどっちだ?何故気づかない?…鈍感もええとこや。
「じゃあ、そろそろ帰るね」
笑顔で手を降って夕日が傾く教室をゆっくりと歩き 出て行った。俺は先輩の後ろ姿を目に焼きつけるように見ることしか出来んかった。
届かなかった想い
( これで俺の初恋は終わった )
thanx...『大阪ノスタルジック』 さま
100810 hiroco