しゃららん
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元気ですか?
私は今日も貴方を想っています。
私ね、もう前向きに生きようと思うの。
だって、いつまでも悲しい顔してたらそっちで「たるんどるッ!!」って怒るでしょ?
あの日はとても寒くて、たしか雪が降ってた。私が貴方にココアが飲みたい、って普段言わないわがままを言って、買いに行った貴方は何時間経っても私の元へ帰ってきてくれなくて、心配で、電話したの。
「もしもし?どこまで行ってるの?」
『……この電話の持ち主さんの知り合いの方ですか?』
「……はい。どうしたんですか?」
急に不安になって手が震えた。
電話の向こう側の人が言う言葉に
手の力が緩んでカシャン、と音を立てて携帯電話が地面に叩きつけられた。
それからの記憶は鮮明に残っている。横たわる貴方は綺麗な顔をしていた。
「弦一郎…?」
「弦一郎…っ!!」
「ねぇ、弦一郎…っ!!」
呼びかけても呼びかけても返事をしてくれなかった。不思議と涙は出なかった。
お通夜にもお葬式にも出席しなかった。認めたくなかった。貴方が居ないなんて信じられない。
次の日、学校に行っても貴方が居なくて、1年後の貴方の命日に貴方のお墓参りに出かけた。お墓に貴方の名前が刻んであって、実感した。貴方がもうこの世に居ないんだって。そう思ったら涙が溢れてきた。
どうして逝ってしまったの
( 私に何一つ告げることもなく )
「 弦一郎…ごめんなさい 」
100914 hiroco
thanx...『花紡ぐ唄』さま