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□be love
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-side hotsuma-
「愁生…いないのか?」
珍しく朝になっても起きて来ない愁生を呼びに、部屋のドアをノックする。
「…入るぞ?」
返事がない。ほんの少しの不安が焔椎真の胸を過る。
部屋は真っ暗で静か。
小さく呼吸音が聞こえるだけだ。
部屋の主を探していると、ソファから足がはみ出ているのを見つけた。
寝落ちでもしたのか、と思いつつ愁生に近付いた。
「…!愁生ッ!?」
そこに横たわっていたのは、顏を真っ赤にして浅い呼吸を繰り返す愁生だった。
「…風邪?」
なんで気付かなかったんだ、と思いながらとりあえず愁生をベッドへ運んだ。
「…ん、焔椎真…?」
暫くして、愁生が目を覚ました。
「愁生!具合、大丈夫かっ!?」
「そんな大きな声で言わなくったって…聞こえてるよ。」
少し呆れ気味の声で愁生が言った。
「…ったく、ビックリしたんだからな!!部屋行ったら倒れてるし…。」
「ん、心配かけてゴメンね?でも心配してくれて嬉しいよ。」
いつもより赤い顏で愁生が笑う。
ヤバい、可愛い…。
「?ほつ…」
「−ッあ!ご、ご飯作ってもらってくる!」
そう言って急ぎ足で部屋を出た。
−あの顏は反則だろ。
自分の顏がみるみる赤くなっていくのが分かった。