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□tundra
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そっかわかった!
俺も黒刀とベタベタするよ―
















「ねぇ黒刀、なんで怒ってるの?」

「別に怒ってない!」

「んー…今日の黒刀はくっついても離れても怒るんだから。」

少し困った顔で千紫郎が微笑む。


まぁ怒ってないって言ったら嘘になるけど。
原因は今朝の千紫郎の一言。
九十九の発した言葉に返ってきた千紫郎の言葉。


別に嫌ではない。
千紫郎には好意を持っている。
でも何故か妙に苛立っていた。



「俺なんかしたかなー…」

「別に何でもないって言ってるだろ。」

「あ、もしかして黒刀の寝顔勝手に見たから怒ってるの?」

「なっ、お前勝手に!!!」

「あ。」

「『あ』じゃない!」


何をしてるんだコイツは!

ギャーギャー言っていると、ふと真剣な顔で千紫郎が僕を抱き締めた。


「…ねぇ、なんで怒ってるの?」

「ーッ!!?」

不意に僕の耳元で優しく囁く。


「言葉にしなきゃ分からないよ…」

僕はこういう千紫郎に弱い。
自分の中の何かが静かに崩れてゆく。


「…朝。」

「朝…?」

一瞬顔をしかめて、そしてすぐにあぁ!と顔を上げた。

「そっか!九十九くんと十瑚ちゃんがベタベタしてて羨ましかったけど、照れちゃって言えなかったんだね!」

「はっ!?何を堂々と言ってるんだ!」

「ほーら今声裏返った。図星でしょ?」

「ちっ、違う!!」

仮にそうだったとしても頷けるか!!

「まぁまぁ大丈夫だよ…素直になれない黒刀の分、俺が積極的になってあげるから。」

「…ッ///」

不覚にもさっきまでの苛立ちが収まっていく。

「ふふっ、でもツンデレな黒刀も好きだよv」

「うるさい!!あと服のボタンに手をかけるな!!!」



END


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