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□何度生まれ変わったって
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「戒めの手の昔々」
の後の妄想←


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そっと、愁生の肩を押す。
慣性に従って愁生がベッドの上に倒れる。


顔を反らしたのが了承の合図。


首筋に唇を落とすと愁生の薄い呼吸が聞こえてくる。


愁生は男の筈なのに、女みたいな匂いがする。
色気だってその辺の女よりずっと。



「ん、愁生…」

「ほっ…ぁ…」


唇を合わせて愁生の口腔を蹂躙する。
歯列をなぞると愁生の身体が小さく揺れた。


唇を離してやると、愁生から熱い吐息が漏れる。
そのまま首筋に吸い付くと、愁生の白い肌に紅が映えた。



「…ッ、ほ、つま…」

「?、何だ?」


息を乱しながら愁生が俺を呼んだ。


「俺って、なんで…男に生まれてきたのかな…」





突然。

思考が一瞬止まった。



「…は?」

思わず間の抜けた声が出た。


確かに前世、愁生は女だった。
俺達は夫婦で、子供を作ろうとしたこともあった。

だが、今の何が不満なのだろうか。
今正に愛の行為を交わしているのにどうしてそんなことを聞くのだろう。


「…だったら何だよ」

少しムッとして素っ気ない返事をする。

「昼間…」

「あ?」

「今だって女装したら綺麗って…」


「…??」

だったら何が不満なんだ。


「俺に、何か不満があるのかなって。」

「え?」


「もし俺が今も女だったら、みんなに隠れて付き合うこともないし、こういう事だって…男同士よりも…だから、焔椎真は不満感じてるのかなって…」

切なげな顔で愁生が弱く呟いた。


そんなことあるわけない、
俺は思ったことはすぐ顔に出るし
愁生に不満があるならこんなことはしない。

上手く言葉に出来ないので、愁生を強く抱き締めた。

「ほ、っ…んぅ…」

顔を押し付けるようにキスをした。
少しでもそんな事を思わせてしまったのが嫌だった。


唇を離すと、熱っぽい表情で愁生が俺を見た。

「…その顔、今も昔も変わんねぇな。」

変わらず、美しい。
心からそう思う。


「好きだ。愁生。」

「ん………」

「どう思ってるか分かんないって言うなら、何回だって言ってやるよ。」


そう言って、再びシーツの波に溺れた。






何度生まれ変わったって、

ずっと変わらず愛してる。






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