短編@

□三倍返しの嫌がらせ
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「アハハハハッ!」

「お前…何だよソレ」

「漫画。見たら分かるでしょ」

「それは分かる。そうじゃなくて…」

「友達から借りたんだけどさ…」



そう言うと郁はある人物を差した。



「このセリフ面白いなって思って」

「…お前に当てはめるとピッタリだな。」

「ちょ、堂上教官!いつのまに…」

「どれどれ…『私を誰だと思ってるの?三倍返しの笠原よッ!』あーたしかにピッタリだね」

「こ、小牧教官まで!ちょっと手塚も何か言ってよ!」

「…お二人に同感です」



手塚の発言に小牧が吹き出した。



「えー…でも私的には柴崎の方が似合うと思いますけど…」



郁の言葉にさらに小牧が上戸に陥る。



「お、お前…それは流石に…」



そう言いながらも堂上の背中は震えている。
手塚の方を見ると俯いている。

どうやら2人とも笑いを堪えているようだ。



「私がどうかした?」

「柴崎!何で此処に…」

「いやー、やけに煩いと思って入ってみたらどうやら私の話だったようね」

「ねぇ柴崎さん」



郁と柴崎の会話に割って入ってきたのは小牧。



「此処のセリフ、柴崎さんの名前に変えて言ってみて」



その言葉に、小牧が何をさせようとしているのかが分かった。



「えーっと、…私を誰だと思ってるの?三倍返しの柴崎よッ!!…こんな感じ?」



あまりにも違和感が無かったので、そこにいた堂上班は全員が上戸に陥った。



「…なーんで私がそこまで笑われないといけないのよ」

「だ、だって柴崎、あまりにも……」



郁も笑い過ぎてその先の言葉が出てこない。
堂上が呟いた。



「小牧と柴崎が争ったら大変な事になるな」

「あー確かに。止まらなさそうだよね」

「私は止めておきます。そんな無駄な争いしたくありませんから」



そう言うと柴崎は部屋を出ていった。
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